高校受験では学校の他に学科も選ぶことになります。大多数の受験生は普通科を選びますが中には専門学科を選ぶ生徒さんもいます。早くから将来を見越しているようで頼もしく思います。しかし専門学科進学については『アドバイスを受ける機会が殆どない』という声もよく聞かれます。
専門学科は大きく分けて『理数』『英語(国際)』『芸術』『情報』『総合』『商業』『工業』『農業』『看護』『家政』『体育』『水産』などに分類できます。その中から人気の高いものについて抜粋して論述したいと思います。
専門学科の中で安定的に高い人気を保っているものに看護系があります。千葉県には公立高校に看護科が一つだけあります。(別途中学卒業後に受験できる准看護師育成専門学校も香取市にありますが、ここでは割愛します。)人気職種の上、県内唯一の学科と言うことで必要以上に高い倍率・入試要求点となっているように感じます。
最近は男子生徒でも家政系の進路を志望する生徒が現れてきました。男子だから女子だからと進路を規制する時代でもありません。自分の将来像を掴み取るための近道という意味では正しい選択なのではないでしょうか。家政系は調理・被服・保育・福祉などに分野分けできます。志望した家政系学科に自分の進みたい分野があることは最低限事前に確認すべきです。
これらの学科については公立私立の差が歴然となっていることが多く、安易な考えで志望校を選ぶと後で大きな後悔が生まれてしまいます。また、これらの学科は学習するに当たり環境・施設も大切な要素となってきます。だからこそ公立私立を合わせた全ての選択肢から自分の将来に見合う学校を探し出すことが大切です。
また、これらの業界で活躍するには資格取得が欠かせなくなります。資格取得について学校がどう取り組んでいるのかを知ることも進路選択の大きな要素になるのではないでしょうか。千葉県公立高校の看護科ではそこを卒業しただけでは何の資格も得られません。対して他の高校で学べば准看護師受験資格が得られるところもあります。それらを知らずに進学することは将来的にデメリットが目立つように思います。
一方で『理数』『英語・国際』についても高い人気を誇る学校が少なくありません。文部科学省の推進するSuper Science Highschool(SSH)や Super Global Highschool(SGH)なども千葉県から選出されるようになっています。ただし、『理数系学科だから理数科目について高度な授業』『英語・国際系学科だから高い意識の英語授業』とはなっていないこともあるようです。だからこそ看板だけで進路を選ぶのではなく、学校の中身をきちんと見抜くことが大切になるのです。
また、最近特に多いケースなのですが、『英語が得意だから英語科・国際科に進みたい』というケース。この場合、得意と言っても学校のテストで上位だから、というレベルでは再考を試みるべきです。専門学科は全県からその科目が得意な人が出願します。また、帰国子女で英語が母国語、日常語だった人も出願します。そういった中で『英語が学校のテストで上位』と言うことは最低限の条件なのです。
全県的に有名な国際科を持つ高校の合格発表を見に行ったことがあります。その時見たものは帰国子女の多さでした。帰国子女はその枠(10名程度)だけでは収容できずに一般受験に回っていたそうで20~30人はいたようでした。そういった中で『英語が得意だから』と安易に進路に選ぶのは少し無謀なように思います。
それでも英語を専門的に勉強したいというのであれば大学に入ってからでも遅くはないように思います。普通科に通っても英語の勉強はきっちりと出来ます。ここは冒頭の話と矛盾しますが、高校3年間で自分の特性について見極めることも必要と思います。