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50 中学受験の後はどうするか ~その2~

50 中学受験の後はどうするか ~その2~

前章の続きです。こちらは事例から話を始めましょう。

私の運営する教室の事例ではないのですが、会社員時代に後輩の教室にあった事例です。

『私立中学に通いました。中学での成績は不振でした。エスカレーターに乗れず高校は外部受験せざるを得ません。』というケースに立ち会ったことがありました。

話では中学入試に合格し、そのまま塾を辞めて遊び呆けた3年を過ごしたそうです。その間、通っていた塾からはしきりに塾へ戻るよう呼びかけがあったそうですが、もう勉強するのは嫌、受験で受かったのは実力、という間違った認識(これはご本人も保護者様もだと思います)で3年間を過ごしてしまった、しかし塾に通わなければ…という案件がありました。

この生徒さん、受験したときに在籍していた塾に戻りにくくなってしまったそうです。しかし、私は敢えてその塾に戻ることを勧め、入塾はお断りしました。それでも…とのことだったので私が仲を持って先方の塾に再入会させました。

その後、業界の会合で先方塾の教室長先生にお会いしたときに『無事に高校を卒業し、東京の大学に入学した』と報告いただき、ほっとしたのを覚えています。

私が後輩の教室への入会をお断りした理由は以下の通りです。

一つは『塾が嫌だから塾を変えます』ではその生徒さんに取ってのメリットがないと思ったからです。ましてや中学受験合格(第一志望校だったそうです)の実績があればなおさらです。

二つ目は通っている私立中学校が学習塾を是認し、学習塾と連携して生徒さんを伸ばしていく方針の学校だと私自身が認識していたためです。その前提で安易に塾を変えてしまうのはその生徒さんにとってプラス評価にはなりません。

何らかの事情があって通っている塾を変えることはあると思いますが、各所が納得できる内容でなければならないと思います。そして何より、私の判断を評価してくださったのは当該生徒が通っている私立中学の先生(飯塚との面識もあった先生でした)でした。

当教室には私立中学・高校、場合によっては公立高校の先生までおいで頂くことがあります。その際、生徒さんの学校での様子などを伺うことがありますが、『元気で前向きに頑張っていますよ』とのご評価を頂戴できたとき、塾屋としての喜びを感じます。