寒暖の激しい時期が終わり、穏やかで過ごしやすい気候になりました。学校では新学年・新学期開始の時期です。気持ちを新たに…と心に期すことも多いと思います。それ、とっても大事なことだと思います。
この1年をどう過ごそう、この3年はこんな時間にしよう、キミたちの胸に去来していることと思います。将来を肯定的に考えられる大切な時間だと思います。
そんな思い、周りの人たちと共有してはどうでしょうか。ご家族と進路について語り合う、友達と将来の夢についておしゃべりする、いずれも普段はなかなかできないことです。この機会に披露してはどうでしょうか。
よき指針となる1年上の先輩方がどう過ごしていたかを思い出して考えることも良いことです。君たちの目に焼き付いている先輩方の努力を色褪せぬうちに整理して自分の中に取り込みましょう。
そして大切なことは今キミの胸にある想いを忘れぬこと。忙しい日々に押し潰されてつい目先のことだけに終始してしまう毎日ですが、キミの胸にある大志を大切にして欲しいと思っています。
観世能の創始者である世阿弥は『風姿花伝』に「初心忘るべからず」と記しました。当たり前ですが忘れがち。大切なことは日々刻々意識すべきです。そうすることによって成就するのではないでしょうか。
私は大学入学時に師父から意外な言葉を受け取りました。「大学は4年で卒業しなさい。」 当たり前すぎるほど当たり前のことなのですが、逆に言えばそれが出来ない学生が多いということです。
当たり前を日々実践することは実は大変です。日々の積み重ねを大切にする、そんな一年にして欲しいと思っています。
進学・進級、おめでとうございます。この一年が実り多きことを祈念しています。
来たれ! 新入会生!!