先日、オーストラリアで16歳未満のSNS利用を禁止する法律が可決しました。早ければ12か月後に施行となります。SNSの有害性を鑑み、未成年を守ろうという趣旨で立法されます。
ただ、難点も多く残されています。一切の例外を認めないこと、年齢確認に問題点が残されていること、アカウントの乗っ取りや売買、罰則が運用企業向けだけで利用者に適用されないこと等々まだまだ視界不良の状態です。
一方の日本では未だ一切の対策なく…といった状態です。更に悪いことにこの問題点を学校に解決させようという考えが主流なことです。学校でSNSの使い方を指導する、ITリテラシーの指導を強化する、等々。。。
確かにSNSの悪い側面が学校運営に影響を与えていることも事実です。いじめの問題や学校に対する不満の吐き出し、ひどいものになると『これ、保護者が作っているのでは…!?』というものもあるそうです。
小中学生に対する教育、という捉え方をすれば学校主導でやるべきことだと思います。しかしSNS運用を学校指導内容に入れるべきかは私には疑問です。
いじめをしてはいけません、そうやって学校で教えることは出来ますが根本的な指導にはなり得ません。本来は家庭教育・躾で身に付けるものだからです。現在は家庭教育・躾が機能不全を起こしており、その結果が今の世の中です。
100人が100人同じ答えを同じプロセスで出せる学問を教えるところが学校です。しかし、信条・人格など多様な答えを求められるものを教えるのは…残念ながら本質的には学校ではありません。ご家庭や社会全体の責務です。
学校で教えられることは言わば表面的な知識です。人格形成の根本を為すようなことを指し示すのは本来家庭教育・躾です。それを放棄して学校教育に押し付けるのは本末転倒です。
テレビでは有識者と呼ばれる人たちが『学校で指導を…』と口にしています。しかしそれは聞こえの良い言葉を口にする、大多数(つまり学校関係者以外)からの支持を得られる意見としてではないかと感じます。
SNSの利用方法を含めたITリテラシーは今後ますます重要視される時代になります。その多くは我々大人も未知の世界でした。それを次世代にきちんと伝えなくてはならない、大変な重責を負う時代となっているのです。
本性は私自身もまだ考えがまとまっていません。しかし既に猶予のない時点まで問題が差し迫っているなら一刻も早い打開が必要です。しかしそれを拙速に『学校で…』とするのは安易な対処だと思うのです。