「あぁ、どうせうちの塾で夏期講習受講してくださいっていう営業でしょ?」と思った方、半分は当たっています(笑)
では当たっていない半分は何でしょうか。今回はその部分が論点です。
夏休みにはみっちり勉強して・・・というのは受験生か勉強で遅れの目立つ生徒さん(志望レベルがあってその計画進度から遅れている、という意味も含めて)が一般的と言われています。それ以外大多数の生徒さんには文字通り夢のような時間なのではないでしょうか。しかしそのような期間でもやらなければならないことがあります。では夏休みにやらなければならないことは何でしょうか。
最初に上げられるのは計算力の強化です。4~6月期、小学5・6年生は小数分数の計算を、中学生も主に計算単元を進めます。この単元は演習量次第で定着が変わってきます。しかし実際には単元も決して少ないわけではなく、演習中心の授業がなかなか実施できないのが現状です。従って「理屈は解るが間違えてしまう」ようなことが頻発(これを単純に「計算ミス」として括る見方がありますが、頻発しているのであれば単純な見落としでは済まされません)してしまうのです。ある中堅私立高校の入試で数学の答案に2.7%の約分(これは小学生範囲です)ミスがあったそうです。全受験生の平均点を2.7ポイント下げてしまう問題箇所として軽視できるものではありません。また、1点の大切さを知っているはずの受験生にとって『2.7点』を安易に失ってしまうことの重大さを考えさせられるものでした。だからこそ夏休みには4月~6月にやった計算単元を繰り返し行い、絶対的な自信を持てるような演習量を確保することが大切なのです。その上で『この計算が出来ることが前提』となって秋以降のカリキュラムが進んでいきます。従ってここで取り残されてしまえば秋以降の勉強は絶望的、となってしまいます。
二点目は読書です。『25~27 読書は必要?①~③』でも触れていますが、きちんとした読書習慣を定着させるには夏休みのようにある程度のまとまった時間が理想的です。また、ダラダラと読んだり、あまりに平易なものに偏ったりする読書には効果が伴いません。むしろ夏休みのように時間を取れる期間に行う読書は少しでも背伸びをしたものを期待したいところです。君の心の拠り所となるような一冊に巡り会えることを期待します。
最後の項目は中学生限定ですが、試験対策です。特に千葉市のような二期制を敷いている地域の場合、夏休み明け早々に定期試験(前期期末試験)となる中学校があります。教室地域の学校では犢橋中学校が9月7日・8日、こてはし台中学校に至っては8月31日・9月1日です。この試験については夏休み前に試験範囲が発表になるため、きちんと計画的にやった生徒と部活動だけ一生懸命やった生徒の差が顕著です。
特に中学3年生はこの試験結果から出される前期通知表が入試に大きな影響を及ぼすため、慎重に捉えなければならないことです。最後の総合体育大会を終え、気分が覚めやらぬうちに夏休みが終わっていた、こんなことにならぬよう自戒して過ごさねばなりません。
余談ですが、働いているお父様お母様の夏休みが1週間~10日程度なのに対し、なぜ学生の夏休みは40日もあるのか不思議に思い、調べたことがあります。色々な説が出てきたので『これが本当の理由』という確証は持てませんが、興味深い説があったので披露します。
学校の年間計画を作る際、暑い時期は集中を持続させるのも難しいことと判断し夏休みを長めに取った。一方で冬は集中が持続できるが子供も参加すべき行事が多いので短めながらも特別休暇という形で設定した。
(これを裏付けるように北日本の小中学校は夏休みが短く、危険が伴う冬は長めの休みを設定しています)
そうなると現在の科学技術の恩恵を受けて『夏でも集中できる』環境は感謝しなくてはなりません。そしてその成果を示すべきなのではないでしょうか。とすると小中学生に恨まれそうです。。。