塾に通い始めてしばらく頑張ると点数が上がって勉強に対する姿勢も変わることがあります。実はこの時期、塾に通い始めた時期の数十倍も大事な時期だと私は思います。
塾に通い始めた時期は何もわからず指示されたとおりのことをやる生徒さんが大多数です。従ってこの時期は結果を出しやすい時期とも言える、私はそう思います。
ここから先の話は特に中学生に多く見られるのですが、定期試験対策を何度か繰り返す中で勉強に対する自我が生まれます。勉強に我流が生まれるのです。そうなってしまうと以後の対処は大変なことになります。
近年の入試問題は5年前・10年前とは大きく様変わりしました。しかし定期試験の問題はさほど大きな変化はありません。それは悪いことではなく、基本重視で作問しているからだと思います。
そうなると試験対策の基本的な考えは『全範囲を』『偏りなく』、つまり『広く浅く』やり切ることが第一となります。入試問題では少数派となった『一問一答』を徹底することも求められます。
しかしこれ、やるのは面倒です。演習量ベースでやらねばならず、敬遠する生徒さんは非常に多いように思います。でもこれをクリアしなくては試験で安定した点数を取ることが難しくなります。
上記の我流、やるのがメンド~、だから省こう…そんな理由でクリアしないまま試験に臨む生徒さんが出るのです。そんなことない、という反論も聞こえそうですが、根拠もあります。
それが学校ワークです。昨今こてはし台中では定期試験時のワーク提出がちょっと疎かに感じます。やっている内容もやっつけだったり、○○を丸写しだったり。。。
そんな定期試験対策を2回3回と重ねればてきめんに実力差がついてしまいます。この差を取り返すのは…かなり大変です。それなら毎回愚直に取り組む方がよっぽど堅実だと思います。
先日、茶道の先生にお話を伺うことがありました。その先生、私は存じ上げなかったのですがとてもご高名な先生でした。普段茶道と接することなどない私ですが、非常に勉強となった時間でした。
お話の多くはお茶をたてる作法とそのお稽古についてでした。お稽古を始めて間もない方は手順の踏襲に一生懸命となります。些事にまでは気を配れませんが、それで十分なお稽古と評されていました。
しかし、少し慣れてくると我流・自己流を取り入れるようになります。それを本来は正しくない振る舞いと理解せずにやって癖になるともう直せない・直すのは大変、先生はそう仰っていました。
習い事も勉強も同じです。凡事を愚直に積み重ねて繰り返すことでしか結果は出せません。安易な方法でたやすく結果を手に入れることはできません。
たやすい方法で結果が出せるなら…全ての小中高生は勉強で苦労せずに済みます。上記が正しいことは当教室の先輩方や多くの受験生が証明しています。
安易な自己流より愚直な勉強法、結局はこれが一番の近道なのです。