長らく義務教育の間は上限既定の範囲で授業が行われました。つまり『これ以上はやってはいけません』という上限のラインを踏み越えぬような指導を重ねてきました。
これは進み過ぎる学級とそれに及ばない学級の学力差をより小さくするための工夫でした。しかし、小学校を中心にそれを突き破る動きが出てきました。原因の一つに中学入試が挙げられます。
多くの私立中学入試の内容は小学校の授業だけでは歯が立ちません。そこに学習塾が入り込み、小学生に上限既定を超える内容を指導したことは大きな契機だったと思います。
現在は見直しが行われ、『下限規定』を原則とした授業運営がなされています。つまり、『最低でもこれだけは授業で取り扱ってください』とするものです。
これは学力下位の学級を引き上げるためとしていますが思ったような効果が出ていないように感じます。『学校で授業は行ったのですが生徒が学習してくれません』という予想通りな先生方の言い訳を聞かされています。
それなら上限規定も下限規定も意味がないのではないか…という議論になってしまいます。しかしそれは根本的な欠落があるからと思います。要は教科書内容をきちんとやれば良い、それだけのことです。
もう毎年のことなので多少マンネリ化しているのですが、小学生の間に小学生の教科書を、中学生の間に中学生教科書を終えることは無理なことなのかもしれません。
毎年高校受験を目の前に控えた1~2月に1コマ50分の授業で30~50ページも進めるような雑な授業(授業とは言えませんが…)でやった事実だけ残すような進め方は改善すべきです。
また、ちょっと論点が変わりますが、多くの小中学校では学習進度計画が作成されていません。目安としての進度計画はありますが非常に緩い縛りであまり意味は。。。
そうなるとどうしても行き当たりばったりの授業になります。結果として学年末に大慌てで帳尻合わせをして、時には次学年に繰り越すようになってしまいます。
ここでも『教科書が終わらない』という共通問題に行きついてしまいます。ウ~ン。。。これ、良いのでしょうか。本来その学年できちんと習得しなくてはならない内容を積み残すことになります。
受験直前に仕方ないと諦めて試験に臨むか、このことを踏まえて前もって準備するかはあなた次第です。しかし今や公然の事実となってしまっていることに目を背けるのは如何なものかと思います。
LS WILLでは上限も下限も突き抜けて指導することが基本的なコンセプトです。枠に縛られた生焼けの知識では受験に立ち向かえないからです。そこには教わる側と指導陣の納得が必要なのです。