『この時期にやるべきことは?』、学習塾が問うとかなり決まりきったことになります。それではちょっと視点を変えましょう。『この時期に大人がやるべきことは?』と議論することも必要です。
私はこれを機に教育行政を変えるべきではないかと思っています。長年議論されては立ち消えになる秋入学などが良い例です。インフルエンザが蔓延する時期に受験、は今や非常識と言っても良いかもしれません。
ただ、学年暦が半年ズレるので一朝一夕にはできません。例えば3~6年かけて1学年13~14か月で学習を進め、目標年度に秋入学完全実施、とすれば無理なく移行できます。
また、この3~6年で出来る6か月の余裕を現在までに生じた教育行政のひずみ是正に充てても良いのではないでしょうか。学力格差・教員の過重労働など多くの問題を根本から変えることが出来る時間に出来るように思います。
学力の学校間格差、地域格差も大きな問題ではないでしょうか。特に公教育と位置付けられる小中学校においては早急に対応しなくてはならない問題です。地域柄…と呑気なことを言っている余裕はありません。
公立小中学校での学習は憲法により保障された権利です。その品質が均一ではないことは大問題です。しかし普通にありますよね…学校間格差。得てして行政はその事実から目を背けがちですが実は大問題だと思います。
全国学力・学習状況調査として平成18年から全国規模で試験を行っていますが、その試験結果も正しい方向で使われている様子はありません。ただの点数比べになっています。
点数の伸び悩みが見られる地域にはどのような改善策を取るべきかの指針もありません。そうなると当然ながら点数の良い地域には称賛の声だけ、となりませんか!? これって学校の事務負担が増えるばかりでメリットはありません。
学力の低迷はPISA(国際機関である経済協力開発機構が行う世界的な学力調査)にも反映されています。点数や順位以外にアンケートがあるのですが、自ら進んで学習する意欲が参加国中でも下位レベルです。これは。。。
思うに教育行政がうまく機能していないことと経済力の低下は密接な関係を持っていると思います。第二次世界大戦後の復興からの高度経済成長期には。。。
これ以上の話は近代史の話になってしまいますので割愛します。しかし今の日本教育行政は誰の目から見ても破綻しかけています。そしてそれが社会の機能不全に繋がっているなら早々に改善すべきです。
コロナ禍で教育について様々な問題点が露呈しました。しかしコロナ禍が過ぎてしまえばまた棚上げ…では進歩は望めません。
私の師父が日頃から『国家百年の計は教育にあり』と口にしていました。次の世代のために、100年後の日本のために教育行政を根本から見直すべき時期です。