昨今、『PTAに参加していない家庭の児童には防災用品の提供は約束できない』との記事が議論を呼んでいます。防災用品は時として命を繋ぐもの、それをPTAに参加しているか否かで選別するのは許容できません。
しかし一方で『受益者負担の原則』から見ると費用負担をしていないのに権利ばかりを主張するのは如何なものかと思います。防災には一定の費用が掛かることを踏まえると費用負担を拒んだ時点で仕方ないことと言われるかも。。。
私はPTAの問題は費用負担だけではないと思います。『ご家庭と教師のボランティア』で学校を運営せざるを得ない教育インフラの脆弱性こそ問題視すべきだと思います。
現状過半を占める共働きのご家庭が平日に学校行事を手伝うことは物理的に不可能です。それを求められないようにするにはPTAに参加しないという選択肢しかないように思うのです。
教育情報・進路情報も同じです。受験が学校機能だけで完結すれば極めて平等です。しかし現実として学校だけで受験を…というのは無理な話です。現在中3生の通塾率は9割を超え、中学受験生の小6はほぼ全てが通っているのです。
先日も耳にしたのですが… 小学校の先生に『中学受験します』とお伝えしたところ、『頑張ってね。先生は何もしてあげられないけど…』と言われて落ち込んだという話を聞きました。
とても胸の痛む話です。小学校でやっている勉強では中学受験に太刀打ちできない、むしろ邪魔と仰った塾関係者の大先達がいました。確かにその通りです。しかしその邪魔な時間を受験生には強要しなくてはなりません。
ある私立中学高校の先生にお伺いしたところ、『高校受験に向けて中学には営業に行くが、中受に向けて小学校は行ったことがない』とのことでした。中学受験において小学校は全く蚊帳の外、という意味です。
高校受験も同じようなものです。ある高校の先生に伺った話ですが、入試システムを大幅に変更する旨を中学校に伝えたら『承服しかねる』と厳しい対応をされたそうです。それ、逆ですよね!? 入試システムの変更は高校に主導権があり、中学が口を出すことではありません。
繰り返しますが、教育情報や受験については在籍校で完結するのが本来の形です。しかしそれがままならないのであればシステムを変えようと奔走するより他の方法をご検討頂く方が手っ取り早いと思います。
高校受験を経た卒業生のお母様から卒業時に言われた印象的な言葉をご紹介いたします。『中学校が何でもしてくれるというのは幻想ですね』『受験は塾でやるのが当たり前なんですね。。。』
辛辣ですが、適切に的を射た言葉です。
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