少し難しい言葉シリーズが続きます。この言葉は道元禅師が示された仏教用語で『逃すことの出来ない好機』を指します。『啐』とは『ひな鳥が卵からふ化しようと鳴き声を上げる』ことを指します。『啄』は『たたく』から転じて『親鳥が殻をつつき、雛が卵から出るのを手伝う』ことを指します。『啐啄』とは禅宗において『今まさに悟りを開こうとしている弟子に対し、師が教示を与えて道を開くこと』を指します。『啐啄同時』と表記することもあります。
塾に限らず、お子さんが何かを始めようとしたとき、始めるタイミングは非常に大切です。塾に限って言えばそのタイミングを間違えた(殆どの場合は「遅れていた」ケースです)ために成果が伸びなかった生徒さんを見てきました。
『勉強が解らなくなった』『順位が大幅に下がった』状態になってからお預かりすれば本来のあるべき順位に戻すことは容易ではありません。また、巷間よく聞かれる『成績のV字回復』などの広告文句も気になるところですが、一番負担を強いられるのはお子様自身であることを見逃してはなりません。
LS WILLは短期間での『一発逆転劇』や『超ファインプレー』は学習塾運営の本分ではないと思います。LS WILLが目指す姿は重い装備を担いで一歩一歩着実に前進する登山隊です。アクロバチックな登攀が出来ない訳ではありません。しかしそればかりに頼ってしまうと後々生徒さんが伸びなくなってしまいます。教室では『愚直な努力』が出来る生徒さんを育てたいと思っています。だからこそ『ヤバい…!』となってからでは手遅れなのです。『勉強しなくちゃいけないかな…?』と思い始めたその瞬間が『啐啄の機』なのです。