column_archive_header_s
1113 氾濫する情報

1113 氾濫する情報

1月から2月にかけて入試の最終倍率の確定や合否結果など入試情報が飛び交います。一年のうちで最も熱い時期です。それと同時に他の受験情報もどっとあふれ出してきます。

よく、受験情報に疎くて…とご相談を頂くことがあります。これ、背反しているようにも思いますがそうでもないと思います。この時期に出る情報は多くが精査されていないただの数字だからです。

数字にはイレギュラーなものが当然含まれます。千葉県では以前高校校舎にエアコンを順次導入した時期がありました。先行導入した学校の倍率が異常なほどに上がったことがありました。これが良い例です。

また、隔年現象についても押さえておくべきことです。前年の倍率が高かったから…と多くの受験生が出願を回避して倍率が大幅に下がり、下がった倍率を見て翌年また高倍率…という現象です。

 

また、これらの情報に混ざって『こんな勉強法が…』『こんな受験の仕方が…』的な情報とも言えない話題が乱立します。中には的確なものもありますが、玉石混交の域なのでは。。。

これも全ての小中高生・受験生に当てはまるものではありません。もし当てはまるなら学校でやるはずですし。。。それをしていないのは『玉石混交』であると雄弁に語っているように思います。

 

多くの生徒さんに接する身として思うのは『Aくんに合っていてもBくんには合わない』ということを見極めなくてはならないことです。これ、塾業界の導入研修で教わりますが、習得するまでは時間が必要でした。

そうなると『必要な情報』変わってきます。生徒さんそれぞれに必要な情報を収集しなければなりません。それもちょっとしたコツ引き出しの数が必要になります。

そうなってしまうと各ご家庭での情報収集はちょっと難しいかも知れません。これが『情報は溢れているのに知りたい情報がない』という状況なのではないでしょうか。

本音を言えば学校の先生でも難しいと思います。中学高校なら多くの先生が3年に1度の受験学年。中には初めての受験、という先生もいらっしゃいます。

冗談のような話ですが、学校の先生(多くは大学時代の知り合いや友達など)から毎年何件かの受験相談を受けています。聞いたところ、学内で結論が出なくて…とのことでした。

 

以前、『私は受験のために授業をやっているわけではない』とことあるごとに発する先生がいらっしゃいました。確かに正論ですがその言葉は授業を受ける生徒さんには響かないと思います。

そして何より、その言葉の裏側には『教員側が受験に精通していないとも邪推できます。これでは信頼関係は構築できないように思います。

 

小欄で何度か述べていますが、私は学習塾不要論者です。ただ、一気に不要としてしまうのは無理があるように思います。それなら段階を経て『受験の主導権は学校』『塾・予備校はそのサポートに徹することが出来る環境が望まれるのではと思います。

その上で的確な情報を学校から提供できるようにすべきではないかと思っています。上記の通り、非常に難しいことですがそれが役割だと思います。しかしそれが信頼関係を作るのだと思います。