column_archive_header_s
1102 私立中学・私立高校入試

1102 私立中学・私立高校入試

2024年入試がいよいよ口火を切りました。今年の私立入試は各校ごとに趣向を凝らした工夫がなされ、また思い切った方針転換を図って行われています。

毎年思うことですが、『去年までと同じで…』と思える入試はありません。毎年新たなポイントが生まれてきます。それらにきちんと対応することは最低限のこと、しかし難しいことです。

 

別件で連絡を取った某私立学校の先生から興味深い話を伺いました。その学校は複数回入試を行う学校なのですが、今年の入試は合否ボーダーに受験者が集中しないこともある、とのことでした。

一般的には合否ボーダーには何人もの受験生が折り重なるように分布して一点違えば天国と地獄…のようなイメージです。しかし試験回によっては合否判定会議をするまでもなく…ということも。。。

また、得点分布が以前より広がっているとのお話も伺いました。これらは何を意味するのでしょうか。

70%の得点で合格、と仮定しましょう。その場合、一般的には受験生の正答率分布は85~65%が目安になります。特に併願入試となると確実に合格させる必要性を考えると上記が妥当です。

しかし中には100%出来てしまう受験生、反対に30%もできない受験生がいます。これ、従来も見られたそうですが特別な事情で受験せざるを得なくて…という受験生だったそうです。

しかし昨今は斯様な事情もなく出来過ぎてしまう受験生、全く届かない受験生がとにかく目立つ、とのことでした。これ、何が原因なのでしょうか。

一番に挙げられるのは情報のアップデートが出来ていないことです。特に親御さん時代の学校ランキングのまま受験する学校を選んでしまうと起こりがちです。

『昔は~』と言われる私立でも今となっては国公立や早慶上理をバンバン輩出している学校は珍しくありません。かと言って慎重になりすぎるのも考えものです。適正校を選ばなくてはなりません。

 

また、これも興味深くも反省もしなければならない話なのですが、特に高校受験で通塾せずに受験する中3生が一時期より増える傾向にあるとのことでした。

そうなってしまうと模擬試験も受けていないことも考えられます。つまり学校の授業オンリーで受験するわけです。これ、厳しいかな。。。

現代では高校受験に限らず、受験に通塾は切り離せないものとなりました。中学校の授業が…というより、学校のシステムそのものが受験に対応しきれなくなっているからです。

従って一時期は中3通塾率が90~95%で推移していましたが、コロナ禍によりそれが途切れたのではないでしょうか。そしてその影響が見当違いの受験校選定とつながっているように思います。

 

受験・入試は受け入れ側である志望校によっても変わりますが、受験生側の取り組みによっても大きく変わってしまいます。やりようによっては最短コースで進めます。そしてやり方次第では果てしない遠回りも。。。

そして当教室に通っている生徒さんには不要な労を求めたくないと思っています。『出来る限りシンプルに』 それが大切なことだと思います。