塾に行かせなきゃ…親御さんがそんな気持ちになってしまう動機の一つに『家庭学習習慣の欠如・未定着』があります。確かにこれがしっかり定着していないと学校の勉強はやりっぱなしです。
これ、意外と単純なことで改善できるかも。。。今回お伝えする話は実は家庭学習習慣の定着が目的ではありませんでした。いわば副次的なものです。でもこれが一挙両得に改善できると大きな飛躍です。
Aくんは活発な生徒さんでした。なんでもあっけらかんと喋ってくれる明るい子でした。確か中学1年の終わりころの入会だったと記憶しています。『勉強、もっと頑張りたいんだ!』とのことでした。
しかし、中学2年になってから成績の伸びが少し鈍りました。厳密に言うと試験の点数は堅調に伸ばせたのですが内申点になかなか反映されませんでした。私がこの原因を探ると…
原因は忘れものでした。1日に1~2つの忘れ物はざらでした。下手をすると6時間ある授業全てに忘れ物がある日も。。。本人は笑っていましたがこれが成績を引き下げた原因でした。
そして大切なこと、忘れ物があるということは宿題が提出できないことがあるということとほぼ同義です。これは致命傷です。
そして塾に来る様子についてもよく観察してみると… 目を引いたのはカバンの膨れ具合でした。1コマ1科目の授業に持ってくる量ではなかったのです。カバンの中身を尋ねてみると予想通り。。。
彼は塾用のカバンに全科目全テキストをねじ込んでいました。テスト前にしか使わない教科書準拠のテキストも5科目分入っていました。『塾は忘れ物したくなかったから。。。』とのことです。
確かに彼の言うとおり、全てをカバンに入れて保管すれば忘れものや紛失はなくなります。しかしそれは『家で勉強しない』ことと同義になるのです。
そう言われてみれば彼、宿題忘れが目立ちました。そこに原因があったのか。。。状況が理解できた私は『塾には必要な科目の必要なテキストだけを持ってきなさい』と指示しました。
必然的に帰宅後や塾に行く前にカバンの中のものを出し入れしなくてはならなくなります。カバンからテキスト・ノートを出す時『あっ、そう言えば宿題があったな』と気付けるようになったようです。
驚くことにそれ以降は忘れ物や宿題忘れは劇的に減りました。学校の忘れ物もかなり改善できたようです。カバンから出して教材を目に触れさせる、これだけで意識の持ち方が変わるのか…と驚いたことを覚えています。
欲を言えばカバンから教科書・ノートを出したときに『今日はこんなこと勉強したな』とペラペラめくって見ることもお勧めです。これだけで十分復習になるからです。
予習復習と聞くと机の前に行儀よく座って…と考えがちです。しかし『今日やった内容を見直す』ことが目的ならノートや教科書を読む・見るだけでも効果はあるそうです。
中学生になって学習習慣が定着していないキミ、行儀よくやることが目的ではありません。まず今日勉強した内容を見直す、ここから始めてみてはどうでしょうか。
ノートや教科書をぺらぺら読み返す、これが出来たら欲張らずにまず1週間継続させてみてください。その効果が実感出来たら…もっと欲が出ませんか!?