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1066 受験と一口で言っても。。。

1066 受験と一口で言っても。。。

ようやく秋になってきました。この時期は次年度の受験情報が確定し、それに向けて最後の頑張りに何が必要かを検討する時期です。『去年は…』『これまでだと…』は通用しなくなる時期です。

 

最近特に増えている中学受験について今一度確認して頂きたい時期でもあります。どうしても高校受験や大学受験を基準に考えてしまいがちです。しかし中学受験は全くの別物とお考え下さい。

 

第一は志望校選択です。志望校選択にはどうしても偏差値がついて回ります。『偏差値50って平均だよね!?』とお考えになっていませんか!?

これとよく似たことを大学受験に臨む卒業生から聞くことがあります。『高校は偏差値60だったから大学も同様の数値で志望校を考えたけど、厳しいんですよ。。。』これ、当たり前のことなのです。

偏差値は受験者全体を母体に計算します。ほぼ100%が受験する高校受験では『偏差値50=中学3年生の平均』と出来ますが、中学受験の受験率は首都圏でも30%前後(東京は除きます)です。

ちょっと乱暴な論理ですが、小学6年生の上位30%が受験してその中間が偏差値50なのです。つまり、100人の小学生の上位30名の平均値、100名中15位前後が偏差値50なのです。そう考えると楽なことではありません。

この数字のマジックをきちんと理解した上で志望校を選択しなくてはなりません。

 

第二は環境です。中学受験は市民権を得つつありますが、いまでも少数派です。多くの小学生は小学校高学年で受験を意識することのない環境にいます。そんな中で受験するのは辛いこともあります。

中3・高3の受験生なら大多数が受験です。周りも『頑張ろう!』という気持ちになっているので雰囲気的にも受験に向き合いやすくなります。一方で周りが遊んでいるのに…となったら。。。

これ、学習塾が一番心を砕くところです。その上で見えないライバルと競わねばなりません。時として心が折れそうになることも珍しくありません。そんな時ご家庭のサポートが必要になるのです。

また、同じ中学受験生でも受験体制に入る時期が変わることがあります。高校受験・大学受験は大体同じようなタイミングで始めますが、小学校の進度・受験生の習熟度・志望校のレベルや傾向など必要な時間が全く違うことがあるからです。

環境という意味ではもう一つ、周囲の雑音です。これ、中学受験を終えたご家庭から本当によく聞かれました。私も耳にすることが良くあります。

上記の状況を理解せずに助言したがる周りの人が非常に多いように感じます。多くは高校受験・大学受験しか経験していないパターンが多いように思います。それも本人やお子さんがちょっといい高校・大学に行って、行かせて…というパターン。。。

前述の通り、中学受験と高校受験・大学受験は全く別物です。それを顧みずに助言するのは如何なものかと思います。しかし多いんですよね、そんなこと。。。

私は去年の受験と今年の受験さえ別物と思っています。受験は毎年変わるものです。従って安直な声掛けは… しかしこれを封じることは出来ません。だからこそご家庭の皆様が受験生の壁になるべきなのです。

 

第三は指向性私立中学校独自の特色や指向性、系列高校・大学をきちんと理解しなくてはなりません。間違っても偏差値が高いからいい学校と考えて受験されぬように注意すべきです。

公立中学校は良くも悪くも全方位型の考え方です。文系・理系の偏り、信条の偏りがないように組まれています。結果としてどれも中途半端、という現状はさておいて。。。

それに対して私立中学校学校独自の特色を明確に打ち出しています。それがご家庭の考え受験生の求めるものに沿っているかは必ず検討しなければなりません。

以前勤務していた学習塾での話です。どう見ても理系志向の高校生、完全に文型型の学校に通っていました。『なぜ?』と尋ねたところ、『前の教室長が偏差値的にちょうどいいからって。。。』ウ~ン。。。

幸い、大学進学で本当に行きたかった進路を勝ち取ることが出来たのですが、彼には不要な努力を強いざるを得ませんでした。卒業時に『センセ~には苦労掛けたね。。。』と労われましたが。。。

彼は幸い(?)高校3年間だけの無用な努力でしたが、中学受験で指向性を間違えてしまうと6年間の苦行を強いることになります。それだけに学校選びは慎重に行いたいものです。

 

一時期は高校受験と大学受験が同系列で語られていましたが、近年になってようやく別物という認識が出来てきました。近い将来、中学受験も正しく認識されて真の市民権を得られればと思います。

中学受験に限らず、受験は情報戦でもあるのです。これまでの実績も大切ですが、それに安住した助言より、どん欲に最新情報を得られる環境で頑張ることが大切だと思います。

本当はもっともっとたくさんのチェックポイントがあるのですが、これ以上の長文は。。。続きは教室でゆっくりとお伝えしたいと思います。お気軽にお問合せ下さい。