先日、中学校の部活動で顧問をされている先生にお会いしました。その先生、競技経験もなくいきなり校長先生から顧問を命じられて仕方なく部活動を見ているそうです。
これ、決して稀なケースではありません。よくある話です。未経験の顧問・監督に指導を仰がなくてはならない生徒さんこそ悲劇ですが、学校の先生を責めることは出来ません。
私自身は大学まで体育会の部会に所属していました。チームメイトには教職を取った仲間も多くいました。しかし現在では体育会(もしくはそれに準ずる部会)に所属して教職課程も…は相当難しい選択です。
まず時間が足りません。教職課程は要卒単位以外に教職単位が必要で、必然的に必要な単位数が増えます。留年・聴講生という選択もありますが、出来れば円滑に友だちと一緒に卒業したいものです。
殆どのケースでは『4年で卒業』を選択するでしょう。そうなると一番切り捨てやすいものはクラブ活動です。まぁ、任意の活動なのでそうなるのは仕方ないことではあります。
一方の採用側(県教委など)はクラブ活動を一生懸命取り組んだ学生を取りたがる傾向にあります。しかし現実にはそのような学生は少数派です。特に理系ではほぼ不可能。。。
その結果、クラブ活動などは出来ずに学生時代を過ごした教員であふれかえることになります。しかしそのような中でも中高の学校クラブ活動を運営しなければ…となると全くの素人が監督をする現象が起こってしまいます。
部活動の地域移管が叫ばれて久しいのですが、もう一つ対策を挙げるとすれば『教職課程を選択しても参加できる部活動システム』を大学側が考えなくてはならぬ時期になっています。
中学校・高等学校が『部活動も教育の一環』とするのであれば素人が中高生を指導する体制はそろそろ限界を迎えています。