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1035 自己流か基本通りか

1035 自己流か基本通りか

小学生や中学1・2年生の勉強内容って生徒さんによっては退屈な内容になってしまいます。言うなれば基礎の基礎だからです。複雑に入り込んだ問題は敢えて少なくして基礎力アップを図るのが分かる問題ばかりです。

また、ある程度の力があれば自己流に解くことも可能です。それで正解にたどり着ければ当人にとっては楽な方法となってしまいます。しかし諸刃の剣です。これに気付けるのは入試直前ですが。。。

一番顕著なものが計算です。暗算で答えてしまえば『途中式を書く』という一見面倒な行程は省けます。しかしそれが命取りになってしまうのです。

小学生の分数の計算や中学生の正負の数の計算(1年範囲)、式の計算(2年範囲)は地力のある生徒さんなら暗算で解くことは決して難しくありません。むしろ途中式を書く方が遠回りと感じるかも。。。でも書くべき理由があるのです。

 

高校受験ではよく『入試直前に伸びる生徒』『落ち込む生徒』と表現されます。その根本はそこに至るまで基本通りの演習習慣が出来ているかどうかです。自己流で解く習慣がついてしまうと厳しくなります。

その上で検証して欲しいのですが。。。『基本通り』に解くこと、つまりきちんと途中式を残すことはなぜ求められるのでしょうか。それはきちんと整理することがより正確な解答を得るための方法になるからです。

小学生・中1・中2諸君には知っておいてほしいのですが、中3の計算・受験の計算はこれまでの学習内容の発展形です。従ってこれまでの計算が完璧でなければその先を伸ばすことは難しいのです。

計算を完璧に、これは実際のところ無理な話です。しかしより間違えにくい方法と言い換えればご理解いただけると思います。暗算で計算するよりきちんと経過式を残す方が安全策です。

更に言えば受験数学は多くの問題で計算を行います。それらに全て適正な経過式を残すならそれなりの処理速度が求められます。これを中学2年までに慣らしておく必要があります。

自己流に解いて時間内に解けたからと言って正しい手法で解ける保証はありません。そうなると中2までにその方法に熟達すべきです。それが最後の伸びを生み出すのです。

 

よく『受験直前、男の子の方が伸びる』とか『運動部をやっていたこの方が伸びる』のように言われます。しかし私は『いかに基本に忠実に学習できているか』の方が重要だと思うのです。

夏休みは基礎をもう一度確認するための大切な時期です。そして中3受験生にとっては実力アップの大切な時期でもあります。丁寧な演習・正しい演習を心掛けてじっくりと取り組みましょう。