本章は前章から続けてお読みください。
小学5年生の算数、もう一つの壁は文章題です。従来からも『単位量当たりの大きさ』『割合』といったかなり高度な内容を習得しなければならない学年でした。ここで『文章題って嫌い!』となる生徒さんがたくさん出ました。
2019年度の教科書改訂でこれに『速さ』が加わりました。これも面倒です。『時速〇キロメートルで走る車は△キロメートル先の町に着くには何時間必要でしょう』のような問題です。
文章題を解くにはまず式を立てなくてはなりません。昨今の学校では時間があまりに足りないため、公式に数字を押し込む方法が取られています。時間的な問題を考えれば妥当と言えます。しかし…
小欄245章でも述べたのですが、文章からいきなり式を立てるのは結構難しいことです。それをやらなくてはならないのが小学5年生です。きちんと理解しろというのは無理なことなのでは…!?
これが小学生だけで済めばいいのですが、そうもいきません。『単位量当たりの大きさ』『割合』『速さ』は小学校内容が理解できないと中学数学にも影響を及ぼします。方程式や関数の文章題では頻出問題となります。
つまり、小学5年生でちょっとでもつまずくと算数・数学はお先真っ暗となってしまうのです。お読みいただいている皆さんを脅しているようで嫌な表現なのですが。。。
だからこそ小5の算数はとっても大切、そう思って取り組んでほしいのです。反対にこれがきちっと習得できれば今後の展望はかなり開けます。そうなるように取り組んでほしいと思います。
ちなみに…上記で『文章からいきなり式立てるのは難しい』と述べました。LS WILLでは文章からいきなり立式するような指導はしません。その文章を理解するために一旦図示してから立式・公式への当てはめをするよう指導します。
それを繰り返す中で公式の意味や簡潔な図示の方法を習得してもらいます。特に図示の方法はほかの文章題にも転用ができるため、習得しておけばすごく便利に使えます。
皆が一律に引っかかる単元、解っているなら事前に対策を講じてから望むことが望ましいと思います。その上でより円滑に乗り越えられる方法も検討しておく必要があります。