今まさにテスト勉強佳境という時期にこんな魅力的(?)な話をするのは気が引けるのですが…
背景から話を進めていきましょう。現在、全国には約1万の公立中学校があります。これは1950年代を境に減少の一途をたどっています。ここにも少子化の影響が大きく出ています。
かつてはマンモス校と呼ばれた1学年8~10クラス、それ以上の学校も各学年2~3クラスに減少しました。こてはし台中学校も同じです。現在は各学年ともに小規模化の一途をたどります。
そんな背景で2018年に東京の千代田市立麹町中学校が『定期試験廃止』を打ち出しました。これに追随する学校も出始め、現在は全国で12校となりました。
まず、このシステムから述べていきます。従来は毎学期ごとに中間テスト・期末テストを実施して学力判定・評価の算出を行っていました。それを小テスト・単元テストなどで代替して定期テストを廃止するのです。
ではなぜ定期テストを廃止するのでしょうか。その主張は大きく分けて以下の三つです。
〇勉強の習慣化
〇細分化したテストを行うことにより苦手の把握ができる
〇思考力を問う問題も出題できる
などです。
ウ~ン。。。どうでしょう。論理的にかなり無理があると思います。一つ目の勉強の習慣化は逆に言えばやらない生徒さんは全くやらないことが習慣化される、という可能性も出てきます。
二つ目の苦手の把握は試験後にきちんと振り返ってこそできることです。しかしその時間を取らない・取れないと全く意味がありません。むしろ逆効果です。
三番目はちょっと論外のように感じます。また、思考力を問う問題は一歩間違えると的外れな出題・生徒さん側からすると的外れな対策になりがちです。そこで正しい学習ができるのかと聞かれると…
当然『定期試験廃止方式』を危惧する声も上がっています。
☆トータルの学習量が減る
☆メリハリがつかない
☆平常点(授業中の様子など)重視の傾向
どれも大変な問題点です。
また、ちょっと論外な意見だと思うのですが… 『定期試験を廃止すれば学習塾が介在しにくくなる』という意見もあるそうです。それは学校教員が全ての生徒さんの学習管理ができてこそ指摘すべき点です。
中学校の定期試験対策は小学校の学習と大きく異なるポイントとなります。小学校であれば単元末に試験がある、だから対策を…とすれば苦も無く乗り越えられる試験です。それを中学校で繰り返すのは。。。
また、日常的な小テスト実施は教員側の負担増加となります。現時点でさえパンクの状態なのにこれ以上の負担増は最終的に生徒へのしわ寄せとなるのは目に見えて明らかです。
まだ実施に入った学校はまだ0.1%ほどです。しかし今後は定期試験廃止を検討する学校が増えるような気配も感じます。それって正しいのかな!?
そしてこれを行政が主導しているとしたら…文部科学省や各教育委員会が『全ての生徒の学力を向上させよう』としているのか『出来る生徒だけやるようなシステム』にしようとしているのか大きな疑問が生まれます。
もし後者だった場合には自分事として最終的に勝ち組に入れるような取り組みをしなくてはなりません。
私は基本的に行政や学校の判断によってシステム変更がなされてもそれに対して云々するよりそれに対応する施策を教室側から打った方が現実的と考えています。しかしこれはあまりに大きな問題です。
もし仮にこれらが実施に至ったらその中学校の校区は甚だしい学力没落が予想されます。そうならぬためにもここで皆様にお知らせし、ご検討頂く機会にして頂ければ幸いです。
LS WILLでは中学校定期試験対策講座を受け付けています。こてはし台中学校・四街道西中学校・上志津中学校、私立中学校など万全な対策を行い試験に臨める準備をご提案します。