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991 ランドセル、振袖

991 ランドセル、振袖

私たちは普段生活に使うものを色々なお店で買います。毎日買うものならどうやって買うか、どのタイミングで買うか知れています。準備しそびれてしまうと生活に支障が出るものもありますので日々の生活で注意しなくてはなりません。

しかし数年に一度しか使わないものはついうっかり…となってしまう方も少なくありません。一生に一度しか使わないものは尚更です。その代表格がランドセルと女の子の成人式に見られる振袖です。

 

ランドセルは昭和・平成前期では男の子は黒、女の子は赤のみでした。従って製造も大量にすることができました。しかし平成後期からカラフルなランドセルが現れ、大量生産を難しくしました。

昨今では多くの取扱店が受注生産販売です。つまり『来月入学式だからランドセル見に行こうか?』では手遅れです。最低でも4か月~半年は必要だそうです。

ランドセルの購入申し込みは大きく分けて『ゴールデンウィーク』『夏休み』が多いそうです。当然前年の、です。その頃には新作発表もありますので品揃えも厚くなります。

重い勉強道具を入れて6年間背負うものです。体に合った(と言っても6年間の成長はご両親様の予測を上回るものですが…)もので自分の大好きな色を選んでほしいと思います。

 

振袖は…教室を卒業した先輩方がその姿を披露しに来てくれることもあり、私の楽しみでもあります。もちろん、男の子のスーツでビシッと決めた姿も楽しみにしています。

でも振袖は大変です。これも多くは成人式に向けて用意するものですが、着物選びが一番繁盛する時期は成人式の次の日曜日、ゴールデンウィーク、夏休み期間だそうです。これも頷けます。

成人式翌週の日曜日は一つ上の先輩を見て『来年は私が…』と思うからでしょう。はやる気持ちは十分に理解できます。ただ、翌年の新作は多くが春以降発表になるそうです。そこからでも遅くないでしょう。

一方、成人式まであと1~2か月で駆け込みの用意をする方もいます。振袖は総販売数が殆ど決まっているため、その時期では『売れ残り』となって思う柄がないのが現実です。

また、和服は基本的にオーダー仕立てになるため、その時間も必要です。これは昨今のランドセルと似ています。仕立てる期間(一般的には2週間から1か月)も入れて考えることが良い準備に繋がります。

振袖にはもう一つ頭に入れておかねばならぬことがあります。例えば『お母さんの着物を私も着るから準備必要ない!』と考える人も必要なことです。それが着付けと髪結い(ヘアセット)です。

一式仕立てればその折に呉服屋さんから着付けの予約をしてくれるところもあるそうです。しかしそれらがないと自分でやらねばなりません。時機を逸すると朝4時5時の暗いうちから準備を始めなくては…

そう考えると成人式イベントは大変です。勉強や進路とは全く趣を異にしますが、不思議なことに『準備』という言葉で結びつきます。

 

当教室は教室を卒業しても気軽に遊びに来て欲しい・何かの相談に使って欲しいと考えています。上記の話はわざわざ小欄作成のために取材したのではなく、今まで受けた相談の返答として調べたものです。

こうやって長いお付き合いが出来れば良いなぁ…そんな風に考えながら教室を運営しています。

来たれ 春期入会生