本章は前章の補足です。ちょっぴり心理学的な話となります。しかしこの心理学はキミたちだけではなく、学校の先生も巻き込んだ話なのです。
ちょっとした例を挙げて話を進めていきましょう。
新中学1年のAくんは勉強嫌いでした。小学生時代は家で勉強を殆どしませんでした。小学校ではどちらかというと悪目立ちしていました。しかし中学生になったので気持ちを切り替えて勉強を始めました。
中学校最初の前期中間試験では学年上位の成績、夏休み明けの期末試験でも同じような得点を重ねられました。10月の通知表は…今までの中でも最高の内容でした。
それを見ていた同級生のBくん、彼は小学校の延長気分で夏休み明けまで過ごしてしまいました。通知表は非常に厳しい内容でした。『Aくんのようになりたい』と勉強に目覚めたのです。
必死に取り組んで1年の年度末にはテストの点数的にはAくんを逆転しましたが、通知表結果は相変わらずAくんの方が圧倒的に良かったのです。
この例ではどんな心理が働いているのでしょうか。まずAくんの心理です。Aくんは『最初のテストでとった点数・順位が基準』となったためそれ以降のテストにも高い意識で臨めました。
対してBくん。彼は『前期2回のテストは悪かった。だから後期2回のテストは頑張った』となってしまうのです。つまり後期2回の試験は特別という意識が働いてしまうのです。
最後は学校の先生。先生だって人間です。心理的な要因で成績が変わることはよくあることです。多くの人の通知表を見るという私の特殊な立場だから判るのです。
先生は『Aは頑張る生徒。後期は上手くいかなかったけど力はあるはず』『Bはまだまだ問題がある生徒。後期頑張ったのはたまたま。』という評価。これ、極論ではありません。よく聞く話です。
よく、人間の評価は最初の7秒間の第一印象で決まると聞いたことがあります。これと似ています。最初の試験・最初の通知表が学校の先生にとっての第一印象なのです。
そして第一印象を覆すことは難しいことです。特に学校の先生は多くの生徒を相手にします。それだけに悪い第一印象を覆すことは至難の業なのです。だから最初の定期試験は高い基準を設けてそれを越えなくてはなりません。
前期中間試験までの残された時間は大切に使ってほしいと思います。『まだ2か月ある』ではなく『あと2か月しかない!』と考えてください!
来たれ! 春期入会生!