私が当教室に赴任したのは2010年初冬でした。受験生はすでに目の色を変えてそれぞれの対策に取り掛かっていましたが、呆然とさせられる科目がありました。社会です。
教室内の非受験学年(中3以外、この年は中学受験で社会を使う生徒さんはいませんでした)を見ても社会だけは格段に厳しい状態でした。それは学校の授業自体が成立していないと見做すべきでしょう。
まず受験生に対して可能な限りの対策を講じることから始めました。前任者が見落としていた?怠っていた?ことなので教室の責任として行わざるを得ません。それが受験生を預かる責任だと思います。
小学生を含めた非受験学年に対しては日々の積み重ねができるよう、教室掲示を追加しました。これが今でも続いている『今日は何の日?』です。
日めくりカレンダーの形で毎日毎日『〇〇年前の同月同日に何が起こった!』を記事にしていきました。中学生はほぼMUSTとして通塾時には中身を読ませました。中には嫌がる生徒さんもいましたが。。。
受験前には重要単語としてではなく、事象の内容まできちんと押さえられているため、覚えていくことも楽になるようです。無機質な暗記より興味を持つことが大切だとわかります。
中にはとんでもなく興味を持つ生徒さんも出てきます。中学入学時に入塾した際は毎回読むことを嫌がっていたのに卒業時には『歴史が好き!』と言い出す始末。やっぱりこういうことって嬉しいことです。
当教室の卒業生の中には歴史(特に日本史)を大学で学んでいる先輩もいます。世間の平均から比べると結構高い割合のような気もします。
また、これも社会科に関わるものですが、当教室には世界地図が3枚も貼ってあります。こんな狭い教室に3枚も!?と思われますが、3枚それぞれに意味があります。
1枚目は普段我々が見る世界地図です。これは説明不要です。2枚目はヨーロッパを中心にした世界地図です。これを見ると大航海時代の解説や日本が『far east(極東)』と呼ばれる意味が良く解ります。
この地図、生徒さんは珍しがっているのか、立ち止まってじっと見ていることが良くあります。また、これはイギリスに住んでいる友達から送って貰ったので全て英語記載、それも興味を掻き立てるのかも。。。
3枚目はオーストラリアを中心とした『豪州図』と呼ばれるもの。これは普段見ている世界地図がさかさまになっているので生徒さんは妙な気分になるようです。
しかしこれらも使いこなせなくてはなりません。それ以前にこのような地図を使った入試問題も出されているので柔軟な対応力を養わなくてはなりません。それには見慣れることです。
でも…『センセー、見慣れろって言ってもどこにも売ってないじゃん!』そうなんです。入手がちょっと難しいのは難点です。それなら教室で見飽きるほど見てほしいなぁ。
変に格式張って何でも授業で教え込む、としなくても掲示を工夫していくことで生徒さんに興味を持って貰うことは出来る筈。興味を持って貰えればそこから先は明るい道です。
他にも工夫した掲示をしています。興味があったら教室まで見にいらしてください。歓迎します。
来たれ! 春期入会生!