小欄は一部書き足しをしました。タイミング的に一致することは時として悲しいことです。
日本を代表する音楽家がお亡くなりになりました。エンターテイメントとしてみれば商業的成功と才能のバランスは決して取れているように見えません。日本はまだまだ文化的に後進国だと感じます。
しかし、折に付けテレビや書物で特集されている姿を見ると音楽に真摯に向き合う姿が画面越し、紙面越しに眩い光を放っているようでした。
ここで私が言葉を尽くしても語れるものではないと思います。しかしあれだけ才能があれば日本での評価が低くても他の場所で必ず評価されるものだと思います。彼の姿から彼の努力の程が窺い知れます。
私は『努力は報われる』とは思っていません。しかし『報われるために努力は必要』だと思っています。自身を顧みてその努力をし尽くしているかと問われれば立つ瀬がないのですが。。。
先鋭的なサウンドから全ての人を包み込む柔らかいメロディまで、上質な音楽を遺してくれたことに感謝したいと思います。そしてその生き様から何かを学ばなくてはならないと思っています。
立て続けに昭和を代表する作家(動物学者としての方が有名ですが)も後を追うように亡くなりました。中学生の私は彼の著作に多大な影響を受けた青春時代を送っていたので感慨もひとしおです。
彼は貧しい幼少時代を過ごし、その上で東京大学理科Ⅱ類において優秀な成績を修めました。当時はⅢ類(医学部)がなく、理系学部の中から成績優秀者が医学部に進学できたのです。当然、と思いきや…
彼は医学部に進まず理学部に進みました。その後、現在の学研に就職してから作家の道に入ったのです。私のような凡人が見ると『???』と思います。しかし後から彼の人生を見直すとこれ以上素敵な選択はなかったと思います。
彼はその著作に彼自身の受験について繰り返し言及しています。その中で『受験は人生の真理を探す行為ではない』『受験はパズルである』と述べています。これ、まさにその通りです。
我々受験業界にいる人間は敢えてそのことに触れません。しかし、受験勉強は『たった一つの答え』を探す訓練です。人生において正解はいくつもあります。彼はこのことを明確に区別したのです。
また、勉強方法についても一家言あったようです。日本式勉強法は古いものだと江戸時代以前のものをいまだに踏襲しているケースがあります。これ、非効率です。
この点について小欄で私が繰り返し述べているので私の持論のようですがそうではありません。これは彼の言葉の受け売りです。勉強に必要なものは苦行ではなく効率、彼の著書で繰り返し述べられています。
私が小さい時、近所のお年寄りが『明治は遠くになりにけり、かぁ。。。』と呟いていたことを思い出します。『昭和は遠くなりにけり』です。だからこそ新しい時代をより明るくできるようにしましょう!
来たれ! 春期入会生!