以前も話題にしたことなのですが、大切なことで見逃しがちなこととして再々度述べたいと思います。本来であれば学習塾が口を挟むべき事ではないのですが、これを知っているか否かではお子様の将来が大きく変わることがあります。
ある日小学生の生徒さんと話していたことです。
生徒さん『うちの学校の先生は教え方が下手だからさぁ。。。』
私 『どんな風に下手なの?』
生徒さん『うちのお母さんがしょっちゅう言ってる』
私は内心ヒヤッとしました。恐らくご家庭では学校運営に対して些か批判的なのではないでしょうか。そういったお気持ちは理解します。また、そんな現状であることも存じています。
しかし、それらをお子様の前で口にすることは絶対に慎まなくてはなりません。これには2つの理由があります。
第一にご家庭で斯様にすり込まれてしまったお子様は学校での指示指導に従えなくなります。つまり、学校授業で『この問題はこうやって解きましょう』『これはこうやって考えましょう』と解説されてもそれを受け入れられないケースが非常に多く見られます。
そんなつまらないこと・・・とお考えかも知れません。しかしそれらが積み重なると取り返しが付かないことになります。たった1週間でも風邪を引いて学校を休めば勉強が全く解らなくなるのと同じです。
第二は学校の対応です。学校の先生も人間です。不幸にして風邪を引いて欠席、その後の勉強が解らなくて・・・となれば個別フォローや補充プリントでキャッチアップを目指してくれるはずです。
しかし、授業に出席しても授業内容を聞いていない・指示通りに解かない状態ではそれらを期待するのは無理な話です。そしてそれらは最終的に評価として帰ってきます。通知表です。
現代の通知表は主観的評価を極力排除し、点数など客観的尺度で評価する方針となっています。しかしそれは・・・幸か不幸か建前です。昔から言われる『先生に気に入られるかどうか』はまだまだ健在です。
そんな状況で『先生が言ったとおりに解いていない』と判断されたら厳しい評価になることは目に見えています。そしてその原因がご家庭での会話にあるとしたら。。。
学校にゴマをすれ、と言うつもりはありません。しかしお子様型は保護者様が思っている以上に純粋なのではないでしょうか。ご家庭の会話で学校や教員に対する批判はお子様の耳に入らぬような配慮が求められます。
図らずも前章で『学校では受験指導が・・・』という話をしています。これも同様です。以前、お子様に『学校の受験指導はダメ!』『受験は塾の言うことだけを聞きなさい!』と仰ったお母様がいらっしゃいました。
私はこれを生徒さん経由で聞きました。生徒さんは我々が思っている以上に純粋で不器用です。そして保護者様の言葉を何より大切にします。受験のことだけ、と言うつもりで仰った言葉が全てのことに反映されてしまい、成績は急落しました。私はお母様にお伝えし、前言を撤回して頂きました。
このケースでは事なきを得たのですが、気付くのがもう少し遅かったら取り返しの付かないことになるところでした。
重ねて申し上げますが、お子様と学校教員の関係悪化を招くような話はお子様の前ではお控えになるのが賢策です。これは学校にゴマをすれ、先生を賞賛しろと申しているわけではありません。
それでも・・・と仰るのであればクラス替えや越境通学を申請することも手段として考えられます。言い換えればそれほどのご覚悟がない限りは軽々に学校批判をお子様の前でされるのは。。。
冒頭で申し上げたとおり、本来はこの点に学習塾が口を挟むべきではないと思います。しかし、長い目で見ればこれも受験に対するテクニックだと思うのです。内申対策であり、日々の授業を如何に習得すべきかという技術論でもあります。
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