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31 理科社会は暗記科目?

31 理科社会は暗記科目?

塾に通う人は小学生なら算数、中学生なら数学英語で通塾する人が殆どです。国語・理科・社会は長期休暇の講習か試験前に対策として入れる程度だと思います。でも、公立高校受験(5科目受験)のために塾に通う、という生徒さんには少し妙に感じませんか。

特に理科社会を通常から受講しない理由は『理科社会は暗記科目だから』という論調です。結論から言うと理科社会は暗記科目とも言えます。しかしそういった観点であれば数学英語の方が暗記科目としての色合いは強くなります。

英語であれば①単語を『覚える』②文法を『覚える』③発音を『覚える』④可能であれば重要構文は『丸暗記』⑤まだ余裕があるなら教科書本文を『丸暗記』、これだけで定期テストは満点かそれに近い点数になります。この中には『考える』ことはなく、全て『暗記する』ことだけです。

数学も同様に①公式・定理を『覚える』②計算方法や演習手順を『覚える』③ワークなどの重要問題は問題を『丸暗記する』…など枚挙に暇がない状態です。つまり、中学生の勉強は多くの部分を『暗記する』ことで補填することが出来るのです。

反対に理科社会を単純な暗記科目としない理由は入試にあります。特に近年の社会は単元融合の問題が非常に目立ちます。学校の定期テストでは『地理』『歴史』『公民』と分野ごとに学習し、その内容も教科書に書いてある順です。当然学校の定期テストも『田沼政治の腐敗した政治を改革するため寛政の改革を行った人物は誰か』のような問題ばかりです。(正解は松平定信)

一方、入試問題では例として『アメリカ合衆国が独立宣言を発した頃、日本の経済政策はどのような産業を重視したか』というような問題が出されています。(アメリカ合衆国独立宣言は1776年、その頃の日本は田沼政治だった。田沼政治は重商主義だった)また、江戸時代の政治史で正徳の治を三大改革としない論拠について論評させる問題も考えられます。これは一見して歴史の問題ですが、根本は公民の出題になります。

このように単元融合、ものによっては科目融合問題が最近の大きな傾向となっています。これらは関東では東京神奈川から発信され、追随する県と旧来傾向を保持する県に分かれます。千葉県は明らかに新傾向を求めて変化し続ける県です。場合によっては東京神奈川に先行することも多々あります。

それだけに新傾向を出しやすい理科社会に対して安穏と『暗記科目』として処理することはいかがなものかと考えています。英語数学で取る得点理科社会で取る得点同じ評価です。それなら同程度の努力はすべきなのではないでしょうか。

また、『理科社会は暗記科目』とする根拠は定期試験の出題方法にも一因があるように感じます。定期試験に関しては完全に暗記科目です。これは『得点しなければならない科目』として対処すべきでしょう。偏差値50レベルの高校を目指すのであれば理科社会は最低でも75点(平均点は関係なしに)は欲しいところです。