皆さんは運動を行なう前に入念な準備運動をしますよね!? 近頃は準備運動の大切さも認知され、身体を温めることと同時に気持ちを作り上げることでより高いパフォーマンスを発揮できることが証明されています。
ウォーミングアップの重要性は運動に限ったことではないようです。準備運動を『準備』という言葉に置き換えれば大切であることはより明らかになります。
学校でも登校からいきなり授業に入ることはありません。朝読書や朝の自習を経てから授業が行なわれます。つまり、朝読書や自習が一日の授業の準備となるのです。
しかし、帰宅してからの自宅学習ではこれをきちんと行なっている人は多くないように思います。机に向かっていきなり本題としている人が殆どなのではないでしょうか。
学校で作った『勉強する気持ち』がそのままキープできている人はそれでもいいと思います。しかし部活動や下校時の友だちとのお喋りなどでそれがリセットされてしまうことが多いのです。
帰宅後ゆっくり過ごして身体を休め、その後勉強に取り組むケースが多数派です。それならその時点からきちんと準備をしなくてはなりません。その方が効果も上がることは実証されています。
手順は簡単です。毎日の勉強開始時に集中できる題材をドリルとしてやり遂げるのです。集中力を向上させるものとして好ましいのは計算です。それを時間設定して小テスト方式で行ないましょう。
中学生のキミにはこんな感じでやってほしいと思います。中1・・・正負の数・文字と式、一次方程式、中2・・・式の計算、連立方程式、中3・・・式の展開と因数分解、平方根の計算、二次方程式。
10問程度で良いと思います。いずれも満点を取るつもりで取り組まなくては集中できません。そして満点を何日続けられるか自分の中で競っても良いのではないでしょうか。
また、『数学はちょっと苦手で・・・』というキミは学年を遡ってやっても良いと思います。分数の四則演算も集中を高めるにはちょうど良い題材です。
繰り返しますが、時間厳守で満点を狙うこと、そしてそれを継続させる意識を持つことが大事です。そしてそれが積み重なれば計算力の向上という副産物が生まれ、キミの力となるのです。
生徒さんの中には漢字・英単語・理科社会の一問一答などをウォーミングアップにするケースもあります。いずれも合理的な内容だと思います。
大切なことは『今日は何をやろうかな・・・?』ではなく、机に向かったらまずこれをやると決めておくことです。そうすることによって日々の家庭学習が円滑にスタートさせられるからです。
以前参加した心理学の勉強会で興味深いデータを目にしたのですが、自宅学習習慣が付いていない人ほどウォーミングアップを行なわない傾向があるそうです。
言い換えれば、きちんと準備運動をする習慣さえ付けば自宅学習習慣を付けやすいと言えるのです。そして毎日30分勉強する習慣さえあればそれを1時間、2時間と増やすことは比較的容易なことなのです。