お正月気分も抜けている頃ではありますが、小中学生、特に小学生諸君にお正月・冬休みにやったであろう事を思い出してほしいと思っています。
学校からの宿題ではなくても書初めをやった小学生はどのくらいいますか? 普段鉛筆やペンで書く字と違って太い筆で大きな字を書くことに『気持ちいい!』『緊張する!』と感じた人は多いはず。
その気持ち、普段も持ち続けてほしいなぁと思っています。そうです、きちんとした字を書くことは気持ちいいことなのです。
キミのノートにきちんとした字がバランス良く並んでいるのと、雑然とした文字がグチャグチャに並んでいるのではどちらが気持ちいいでしょう。殆どの人は『きちんとした字!』と答えます。
私は過度にノートを飾り上げる必要はないと思っています。だから5色も10色もカラーペンやマーカーを使うことはしないように指導します。しかし、文字は別問題です。
きちんとした文字を書けば勉強におけるメリットが多いのです。そのいくつかを挙げていきましょう。
1つめ、読み返しやすさです。きちんとした字なら後で読み直すことは容易です。雑な字だと読み返そうという気にもならなくなり、やがてそれは見直しが出来ないことに結び付きます。
2つめ、言葉が覚えやすくなることです。習字の授業で書いた文字ってよく覚えられませんか!? 習字はきちんと書こうとするものの代表例です。そうすることにより記憶に定着しやすくなります。漢字や英単語に効果的です。
3つめ、伝わりやすさです。きちんとした文字で書かれた文章は相手に伝わりやすくなります。同じ内容でもきちんとした文字と雑な文字ではきちんとした字で書かれた内容の方が優れていると判断されがちです。これって入試作文などでも言えることです。
4つめ、つまらない間違いが減ることです。これは算数・数学で特に多く見られます。『6』と『0』、『7』と『1』などを読み間違えるとそこで終わりです。また、字列が乱れていると位を取り違えるケースがあります。
非常に残念なことですが、昨今の小学生は年々字が雑になっているように感じます。確かに学校での指導も限界があり、きちんと書くような指導が行き届かない・徹底できないことは理解します。が・・・
小学生・中学生の中には自分の書いた字が読めなくなったり読み違えてしまうことが非常に多くなりました。以前と較べても激増しているように感じます。
文字は将来ずっと付き合わなくてはならないもの、それならきちんと書く習慣を早々に付けたいものです。癖や習慣であれば早いうちに身につけた方がずっと楽です。
ここで取り違えてほしくないのは勉強において必要なのは『きちんとした字』『丁寧な字』であって『芸術的な字』『美しい字』ではありません。従って正しく書くことを優先すべきだと思います。
実は・・・私自身が悪筆で本稿を挙げることに対する背徳感に押しつぶされそうです。しかしこれは勉強に必要なこと、私も小中学生の皆さんと一緒に丁寧な字を書けるよう心掛けていきたいと思います。