中学生くらいになると時折『昨日はゲームをやっていたから2時まで起きていたので眠くて・・・』『学校の宿題が終わらなくて明け方までやって今日は一日全然集中できない。。。』といった声を聞くことがあります。
私としては余り強く注意できません。なぜなら私自身が夜更かし常習の夜型人間だからです。『大人は良くて中学生はダメ!』といった類いの発言をすれば普段の話も水泡に帰することとなります。
しかし、夜型の生活を送ることは余り賢策ではありません。特に受験生は体調管理面や学習リズム面でも良いことがないのです。
受験生にとって今後一番重視しなければならないことは体調管理です。『勉強はしなくて良いの?』という質問も出そうですが、もちろん普段通りの生活を送ることは前提条件です。
いくら勉強が捗っても模試で良い結果が出ても体調不全を起こしてしまえばそこから先は苦難の道になります。当たり前のことを当たり前にこなすには万全の体調であることが前提です。
昭和中期頃、東大受験を目指す学生に対して『四当五落』という言葉がありました。『4時間睡眠なら合格、5時間以上睡眠時間を取れば不合格』という意味です。
エスカレートした一部予備校では『三当四落』とまで言い出しました。でもこれ、ナンセンスですよね!? 脳内メカニズムは睡眠中に暗記項目を整理することも解明されています。それを妨げてしまいます。
『でもそれでは勉強時間が確保できないよ!』という声も上がるかと思います。しかしそれは工夫が少し足りないからなのではないでしょうか。工夫次第で勉強時間はいくらでも捻出できます。
隙間時間に暗記物をやり、日々やらなければならないものは決して溜め込まずに日々過ごせばかなりの時間を確保できます。
何より勉強を優先したスケジュールを立てれば時間確保に不安はなくなります。最悪なのは『ゲーム時間を優先して・・・』『まずテレビ見てから・・・』としてしまうことです。厳しい言葉ですがそれではどちらが大切な時間なのか解りません。
学習塾運営に携わっていると『この子はスゴいな!』という生徒さんを何人か見ています。その生徒さんに見られる共通事項は時間の使い方のうまさです。
ある元生徒さん、自宅での勉強時間は2時間+30分、最後までこのペースで県内の最難関公立校に合格しました。高校卒業後は日本屈指の大学へ進んだそうです。
2時間+30分の内訳、その生徒さんは数学が少し嫌い(と言っても学校定期テストでは90点以下を取ったことはありませんでしたが・・・)だったので最初は計算20問を必死に解くところからスタートしたそうです。
その後、英数国+理 or 社(隔日)各30分で2時間。予め進められる量を設定して終わらなかったら無理に延長はせずに打ち切ったそうです。また、解らない問題で必要以上に粘らないことも心掛けたそうです。
入浴などでリセットした上で就寝前に30分の暗記タイム。漢字・単語・理科社会の一問一答など。これが終わったら早々に寝る習慣を心掛け、3年間押し通したそうです。
私が知っている通塾中の1年間でも勉強の進度はかなり順調でした。また、解らない問題に固執しない点は教室の考えとも合致していたので無用な時間を過ごすことはなかったようです。
見習いたい点は2点あります。
1点目は時間を意識して時間内に完遂する努力をしたこと。ダラダラと勉強して『今日は3時間やった』と胸を張るより集中して1時間勉強する方がよっぽど効率的です。
2点目は暗記系学習を就寝前に行なったこと。これは効率的な暗記学習には最適だと思います。また、暗記系学習と熟考を要する学習を分けたことにより効率が上げられた点です。
全てをまるっきり真似る必要はないと思いますが、効果的な要素は参考にしても良いのではないでしょうか。
そして受験生は『遅くまで勉強するもの』という固定観念を払拭して効率的な学習を進める習慣を検討してください。