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714 もっと早ければ・・・

714 もっと早ければ・・・

先日、中学3年生の生徒さんと雑談をしていたときの話です。この生徒さん、中学2年の秋に入会されました。上のお子さんに引き続き・・・と言う形でお預かりしています。

率直なところ、能力は十分にあります。しかしそれが点数に反映されていないのが現状です。現時点で1年前より十分に伸びたと言える順位・内容なのですが・・・

 

上のお子さんをお預かりし、卒塾したときに『下のお子さんは出来るだけ早くお預かりを・・・』と話していました。上のお子さんもお預かりする時期が遅くて難渋したからです。

しかし、ご存じの通り、新型コロナウィルス禍により世の中全体が落ち着かない状況下で下のお子さんもお預かりする時期が遅くなってしまいました。

 

『塾に入れるには早めが良いって塾の営業戦略でしょ!?』と言われがちです。しかしそれは違うのではないでしょうか。小学生内容や中学1・2年内容からも高校入試に出題されます。それらに対して準備は不要ですか!?

何より遅い入会の生徒さんは概して基礎力に欠けていることが多いように感じます。それを短期間に補うのは大変な労力を要します。

考えてみて下さい。中学3年間で覚えるべき単語を1年・半年で覚えるなら3倍・6倍の労力と時間が必要です。それ以外にもやらなければならない事がある、結果として1日の勉強時間が膨大になる・・・これが受験間近の無理な詰め込み学習の正体です。

一日一つのことを取り組む、それを3年間積み重ねる。これを怠って半年で3年分のことを消化するなら1日6つのことをしなければならない。こうなってしまうと最低限のことしか出来ません。

努力を平準化するにはフライングでスタートすることです。受験勉強は陸上競技とは違います。如何に早く準備を開始するかで出来る努力量が大幅に変わるのです。

 

冒頭の中学3年生、一年かけてその努力を完遂し、今は落ち着いた状態で勉強に臨めています。ご本人もご家庭も辛かったと思います。そして私もしんどい日々でした。しかしそれを糧に前に進めていることは今後の安心感に繋がっているように思います。