最近は女子生徒より男子生徒からこの相談を受けることが多くなりました。これもご時世だと思います。しかし自分の一生を決める受験で緊張しない方がおかしいことです。緊張して当たり前、その位の気持ちで受験して欲しいと思います。
上がってしまうことに対しての準備はいくつか必要です。
最初に取り組んで欲しいことは模擬試験や学校の定期試験で『上がってしまうことを経験』することです。その上で『緊張してしまったが故に間違えた問題』は必ずチェックして下さい。よくあるものに数学の符号間違いや分数の約分忘れ、英語のピリオド・クエスチョンマーク忘れや時制の不一致などがあります。
これらはそれぞれが受験までに用意作成する『見直しリスト』に記入しましょう。普段なら絶対に間違えないような問題で緊張したときにどのような間違いをするのかきちんと把握することは重要です。模擬試験や定期テストで緊張しないと思っている受験生はいないと思います。きちんと掘り下げておきましょう。
次は学校の下見です。学校見学会、入試説明会などの名前で受験する学校を訪問する機会があります。その機会はフルに利用しましょう。説明会は学校に到着してからが本番ではありません。家を出てバスや電車に乗って、もしくは歩いて学校にたどり着くまでの時間も説明会として活用しましょう。どれくらいの時間がかかるのか、乗り換えに不安はないかなどをきちんと見極めることが試験当日の段取りに大きく役立ちます。
また、学校の雰囲気もきちんと把握することが当日緊張を最大限和らげます。考えて下さい。試験開始時刻直前に会場入りし、雰囲気も予想していたよりずっと厳粛な学校だった…こんな状態で落ち着いて実力が発揮できますか?それ以前に説明会も参加しないで試験当日初めて行く学校でベストパフォーマンスが期待できますか?
最後に併願作戦です。受験生なら誰でも押さえの学校・滑り止めを受けると思います。さすがに『第一志望だけしか受験しない』という受験生は絶対的少数ですので割愛します。併願作戦で重要なことは試験日程です。「ここは絶対に大丈夫」(入試に『絶対』はないのですが…)というところを最初の受験にして本番慣れすることが大切です。そうすれば多少の失敗があったとしても第一志望を受験するときに活かせます。
ただし、中学受験では必ずしもこの方法が取れるわけではありません。千葉県の中学受験においては学校において名称が様々ですが『第一志望入試』『推薦入試』を12月に行う学校があります。これは合格したら入学する試験なので第一志望でないと受験することはできません。従って、ここで『その前に滑り止めを』という論法は成り立ちません。
また、東京の私立中学校受験は解禁日が2月1日と決まっており、その後いくつかの日程で入試が実施されますが、一番合格枠の多い日程は2月1日午前受験です。従って2月1日午前受験は何が何でも第一志望を受験しないといけないわけです。従って、千葉県・東京都共に中学受験は最初に受験する学校は第一志望となってしまうことがあるのです(東京都の私立中学を第一として千葉県の一般受験を受ける、等の方法はありますが…)。これらに対応するには模擬試験を上手に活用することです。それも複数の模試業者を活用して雰囲気も出題傾向も会場校も違ったものに慣れておくことが最大限出来る準備だと思います。
緊張のコントロールは受験当日とても大切な要素です。『私は・僕は緊張なんかしない』と思っている受験生ほど緊張のコントロールが出来ずに大きな失敗をしてしまうようです。だからこそ『緊張はしてもいい。ただそれをコントロールする方法を知っておく』ことが大切です。