気がつけば10月も半ば、2022年度入試も半ばを超えました。今回の入試はいわゆるマイナーチェンジが多く見られ、見過ごしがちですがそれは大きな禍根となります。十分な情報収集を行ないましょう。
今年、私が一番注意している点は基礎力です。塾を運営している人間が何を・・・と言われそうですが、一昨年と較べても明白なほど基礎力欠如の生徒さんが多く見られます。
理由は明快です。2020年春の一斉休校です。これが未だに尾を引いているのではないでしょうか。それが証拠に一斉休校前から熱心に通塾していた生徒さんにはその症状が出ていません。
それに対して一斉休校以降に入塾された生徒さんには一律に空白期間が露わになっています。これを埋める方法は愚直に取り組むほかありません。そしてそれを乗り越えれば見える景色が変わってきます。
現在の中学生は学力分布が『フタコブラクダ』になっています。旧来のように『平均値の分布が一番高くなる富士山型』ではありません。それだけに低得点グループからの脱却は簡単ではありません。
反対に高得点グループに入ることが出来れば楽・・・といっては妥当ではありませんが、今後の見通しが立てやすくなります。学習塾側から見ても点数が読みやすくなります。
では、この2グループの差はどこから生じるのでしょうか。難問が解けるかどうか? 標準問題が解けるかどうか? いずれも不正解です。正解は『適正な基礎力』です。
標準的な問題の解き方が解るのに基礎力が欠如しているために正解に辿り着けない、これが現在の小中学生・高校生指導における大きな問題です。発展的な問題の解き方が解ったのに解けない、こんな状況も生んでいます。
解き方が解るのに正解に至れない、そんなことを繰り返してしまえば学習意欲など簡単に吹き飛んでしまいます。これが『フタコブラクダ』の正体です。
今年度も折り返しを過ぎました。特に受験生はあと一踏ん張りです。点数が伸びない・解るけど正解にならない・制限時間内に解き切れない・・・そんな不安が頭をよぎったときは一度基本に立ち返ることも大切なことです。
そして『あと半年しか・・・』ではなく、『まだ半年も残っている』と考え、腰を据えて取り組みましょう。
ガンバレ 受験生!