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705 問題を予測することの是非

705 問題を予測することの是非

テレビコマーシャルで『AIによる出題傾向の分析で・・・』としている塾があります。それを見た生徒さんが『センセーも出題傾向の分析ってしているの?』と尋ねてきました。

当教室の方針として、入試対策・学校定期試験対策共に出題傾向に即した学習を行なっています。学習塾として成果を明確に出す点から鑑みても当然の方針です。しかし・・・

出題傾向に即した学習のみではその後の学習に大きな問題が残ります。以下のような事例が挙げられます。

 

事例1
偏差値65の私立高校、3科目の筆記+面接+内申の入試で合格させた。数学に苦手意識(高校受験時の偏差値で50を超える程度)があったが傾向問題のみを学習させ、入試はクリアした。しかし、入学後も数学に強い苦手意識が残り、結局高校の授業について行けずに通塾を再開した。

事例2
中学受験で4科・2科・1科・英語1科の選択が可能な形式、どうしても算数が厳しかったので英語1科目で入試を乗り越えた。しかし入学後の授業は英語以外全くついて行けない状態となり通塾を開始した。結果として受験前の通塾回数(週2回程度)より中学時代の通塾回数(週3~4回、試験2週間前から毎日)の方が大幅増となってしまった。

 

こうして列記すると得意科目で得点を稼いで入試に合格することと苦手科目を作らずに偏りなく学習することは同等に大切なことなのではないかと思います。そう考えると出題傾向を解析して試験に出る問題だけ出来るようにすることは『見えやすい成果』であると共に『見せかけの成果』であることも解ります。

 

先日来校した学習塾業界の友達が『LS WILLは卒業生がよく遊びに来てくれるそうだが、それは進路先でも勉強に苦労せず、その先の進路もきちんと決められる力が付いているからでは・・・?』と言ってくれました。

そうですね。進路のその先まで見渡せるような進路指導と授業を積み重ねたいと思います。