先日、ふとした出来事から過去を振り返る機会が続けざまにありました。もう学習塾運営業務についてから結構な年月が流れています。最初に教室を持った時は開校教室でした。生徒さんも講師諸氏も、そして私もまっさらな状態でした。
その時の入会第一号だった生徒さん、忘れもしない新中学1年生でした。今では一男一女のお父さん、お子さんが高校受験で…と聞きました。幸せそうな人生を歩めているようで何故か安堵しました。
この生徒さんをお預かりした時は本当に何も判らず、試行錯誤の繰り返しでした。しかし、そんな様子をご家庭の皆様が好意的に捉えてくれました。前に進むための試行錯誤、と評してくださいました。
また、別の機会になりますが、別教室に勤務していたころの講師の方が教室まで遊びに来てくれました。聞くともう30代後半、社会的にも責任の増す時期となっているのでは…
彼曰く、『センセーに言われて今でも強烈な印象が残っている言葉があります。』とのこと。私はその頃講師諸氏に立派な指導ができるだけの自信がなかった時期だっただけに『???』となりました。
彼が続けて、『センセーは生徒に対してもっと真剣に向き合うように本気で言ってくれました。』『それまでも真剣に向き合ってきたつもりだったけど以降はもっと真剣に向き合うように意識するようになりました。』
おそらく仕事で迷いが生まれていたのだと思います。しかしひとしきり話を終えた彼はマスク越しでも分かるくらいすっきりとした顔で教室を後にしました。
なんだか今の自分を叱咤するようなタイミングです。そうですね。教える技術や進路指導力も大切ですが、受け手(生徒さん・保護者様)側に伝えるべきことをきちんと提示するためには真剣に向き合わなくては伝えられない、そんなことを思い出しました。
ちなみに元講師の彼、私に指摘されたときは少なからず反発したそうです。しかしそれを20年近く経ってから理解してもらえた、これは本当にありがたいことだと思います。