私が赴任した2010年、こてはし台中学校の社会が伸びていないことに危機感を感じ、紆余曲折を経て2011年早春から『今日は何の日?』という教室掲示を始めました。
これは歴史上の出来事を日ごとに分けて『○○年前の今日、こんなことが起こった』と感じて貰うものです。断片的なものになってしまうのは致し方ないのですが、その分思い切り掘り下げて興味を持てるように作っています。
掘り下げるだけ深掘りするので時には脱線もしていますが、一部の生徒さんには大好評でこれをきっかけに社会・日本史に興味を持ってくれました。驚くことに大学でも日本史を専攻して・・・という生徒さんが何人か出てきてくれました。ビックリ・・・
学校の教科担任との相性などもあるのか、特定の科目が苦手な学年・クラスが出るケースは今まで何度も目にしました。それが対策できるならできる限りの対策したいと思っています。
2021年から始めたものに『今週の英語名言』があります。著名人の有名な発言を週ごとにさらっと読むだけでも初見の文章を読む習慣付けになります。インパクトの強いものなら暗記して英作文にも役立ちます。
著名人、と一言で片付けましたが、これも幅広く採用するよう心掛けています。歴史上の偉人、ハリウッドスター、レジェンドミュージシャンなど間口を広くとることで生徒さんの関心を引きやすくするよう心掛けています。
最初は軽い気持ちで始めたこの掲示、私自身の学びともなりました。特に今年は新型コロナウィスル蔓延による様々な出来事で判断を迷わせるものがありました。そんな時にふと目にした言葉に背中を押されました。
中には文法的に問題のあるものもあります。オードリー・ヘップバーンの『Nothing is impossible, the word itself says ‘I’m possible’!』という名言、『I’m possible』という表現は妥当ではありません。しかし、中学生の背中を押すに相応しいと判断して採択しました。
この文を解釈すると『不可能などない。不可能(Impossible)という言葉はI’m possible(私は出来る)と言っている』となります。いわゆる言葉遊びですが、これを『言葉遊びだ』と判断できるような英語力を身につけてくれればいいなぁ・・・と思っています。
学習塾は勉強の解らないポイントを指導することばかりが求められがちです。それはそれで大切なことです。しかしそれは対処療法でしかありません。
人間誰しもが持っている興味関心を喚起する、これこそが根本的な指導なのではないか、そんなことを考えています。
蛇足ながら、現時点において『今週の英語名言』に日本人は一人しか出てきていません。それは『オノ・ヨーコ』さんです。彼女は『全米で日本の総理大臣より有名な日本人』と評されています。
元々はれっきとした純日本人です。それが『ジョン・レノンのパートナー』として名を挙げ、現在に至っています。しかし彼女の本質は前衛芸術家であり、平和運動の活動家です。
彼女のように『英語で世界中に発信』出来る生徒さんが一人でも多く育ってくれると良いなぁ・・・と考えています。