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691 時間の使い方 ~勉強のコツ~

691 時間の使い方 ~勉強のコツ~

以前在籍していた生徒さんの話です。基礎力欠如はあるものの非常に真面目な生徒さんでした。こちらの要望以上の結果を出そうと取り組んでくれましたが芽が出ない時期が少し長く続きました。

お母様から自宅での様子を伺ったところ、遅くまで勉強している様子。これは何か歯車がかみ合っていないのでは・・・そう思った私は自宅での学習内容を事細かに聞き出すと共にノート類のチェックを行ないました。

結果的に自宅の学習方法に大きな無駄があることが解りました。特に基礎学習の方法がその生徒さんに合っておらず、それが家庭学習全体に悪影響を及ぼしていました。

小学生の『漢字・計算』中学生にはそれに『英単語』を加えて基礎学習と仮定しましょう。これらの勉強は『解らなければほぼお手上げ』です。従って覚えているかいないか、やったかやっていないかが得点となって現れます。

習得方法は簡単です。やれば良いのです。しかしその『やり方』が前時代的でした。覚えているお父様お母様も多いと思いますが、小学生の頃に学校の先生から『このページの漢字を1行書いてくる』宿題は出されたこと、ありませんか?

この方法で全ての漢字、単語をやってしまえば時間がいくらあっても足りません。漢字・計算・単語の学習だけで1~2時間かかってしまっては本来やるべき勉強が出来ないのも頷けます。

 

この章は『小学生の時に漢字を1行書く宿題を出す先生を否定する』ものではありません。小学生、特に低学年ではそのことにより鉛筆の持ち方に慣れさせ、何より家庭学習として10~30分机に向かわせる習慣付けの動機としては好ましい宿題です。

しかしそれを小学生高学年や中学生、ましてや高校生になってまで固執してしまうのは如何なものでしょう。特に効率を求める試験前や受験期においては最適な方法ではありません。

 

漢字や英単語の手早い学習方法として当教室で推奨している一例を挙げます。

漢字(1週間の範囲は4ページ)は最初に自宅でテスト・丸付けを行ない、間違えた問題に印を付ける。間違えた問題は2~3回書けばOKとして仕上げに教室で小テスト。単語(1週間の範囲は6ページ)も同様とする。週に2~3回繰り返せば大体覚えきれる量となっている。

この形で行なえば1日に必要な時間は最大でも15分、勉強の入り口に行なう準備運動としても適材です。そこには『1行書く』という手指の運動や神・鉛筆の無駄遣いは要らないと思うのです。