夏休み明けの前期期末試験が終わり、徐々に志望進路が絞られる時期になります。そんな中、生徒さんから思いがけない質問を受けました。
生徒さん 『センセー、偏差値の高い学校と低い学校は何が違うの?』『私立は学校に特色を出しているけど公立はどこが違うの?』
なかなか核心を突いた質問です。自分の進路を検討する中でここまで考えられるようになったのかと感慨深く感じました。
公立高校は様々な縛りもあるため、各校独自の特色を出しにくい傾向にあります。その最たる例が甲子園常連の野球強豪校です。野球が強いという特色がある学校は多くの場合、私立高校です。
公立高校の差別化は入試偏差値(つまりこれが受験の目安になるのです)が一般的です。残念なことですが、これが最大の指標になっているのが現状です。
では各校の入試偏差値は何を基準に決まるのでしょうか。現状では前年数値で決まることが殆どです。つまり『偏差値40の学校が翌年には55になる』『偏差値60の学校が次年度には45になる』ことは殆どありません。
しかし、偏差値40の学校と偏差値60の学校では何が違うのか、この回答にはなっていませんよね!? この質問に対して私はこう考えています。
『環境が違います』
高校は公立中学までとは違い、一定学力の生徒さんが輪切りにされて集まっています。そうなると学力に応じた環境が提供され、最適内容の学習が出来るようになります。
周りが就職・専門学校を進路に選ぶ中でGMARCHを目指すのは大変です。逆も然りです。それより隣の席の仲間と同等の進路を目指せる方が高い意識を保てます。これが環境だと思います。
余談ですが、高校受験で見逃してはいけないことに『自分の目指す高校は卒業にどんな進路があるか』も見落としてはならないことです。
一部の高校は入り口(入試)で要求する点と出口(進路)がかけ離れている場合があります。その高校に目的があって進むならともかく、そうでない場合は今一度他校と比較することが大切です。
私は進路指導において『○○高校にしなさい』と言いたくありません。それを言うことで自分の進路が他人によって決められたと思われるからです。
自分で決めた進路だからこそがんばれる、そう思えるような進路選択をしてほしいと思っています。