この時期に意外と目立つお問合せが『受験するわけではないけど、勉強が苦手になってしまって・・・』というご要望、特に多いのは小学6年生の算数です。
なぜ小6なのでしょうか。それは2020年に改定された指導要領を見れば解ります。これまで小5・小6に分散されていた文章題が小5に集約され、そこを起点として分からない状態が続いている小学生が目立ちます。
『文章題なら読解力が・・・だから国語の受講も・・・』としがちです。まぁ、学習塾の営業トークでもそうするところは多いと思います。しかしそれは無駄です。
小欄245章でも触れていますが、文章題には問題に即した読み方があり、そこから拾い上げた数字を埋め込む公式があります。これらの運用を習得すればクリアできます。
そこに国語の読解力を・・・となれば『国語の読解技術』『算数文章題の読解技術』が混在してしまい、却って混乱の元になることさえあります。
これとは別に読書習慣を付けることは夏休みの課題として最適な期間です。出来れば少し背伸びした内容のものまで読めるような力を付けたい時期でもあります。
他に目立つものとして分数の本格的な運用開始があります。分数の計算自体は小学5年生から開始されていますが、これが本格的に運用されるのが小学6年生からとなるのです。
整数・小数に較べて計算方法が独特な分数の計算、苦手意識を持つ小学生はたくさんいます。小学生だけではありません。
とある都内の中堅私立大学、文系学科の学生に試験したところ、実に70%を超える学生に分数計算の瑕疵があったという報告さえあるのです。だからといって出来なくていいものではありません。むしろとっても困るもの、なのです。
分数の計算は中学生になると計算の主流となります。小数の計算は? と思うほどです。指導要領では『小数計算は可能な限り分数に直して計算させる』とあった時代さえあったそうです。
そうなると小学5・6年生で分数の計算につまずくことは大変なことになりますよね!? そうしないためにもこの夏休みで克服することが大切だと思います。
無理は不要です。1日10~20問程度を夏休み期間に継続して取り組めば克服できます。苦手克服と大仰に考えるより継続させることがポイントだと思います。
小学6年生になれば中学生活もそろそろ視野に入ってくる時期です。上記2点がきちんと克服できているかどうかで中学生活は大きく変わります。
因みに・・・これらを克服できていなかった中学1年生、中学校の先生に質問したところ、『そこは小学校で教わるところだから・・・』と取り合ってくれなかった話も聞いたことがあります。
冷たいな・・・と思う反面、先生もそれほど時間がないことを実感しました。
それなら早々に自己解決させることを考えましょう。
この夏、勝負の時期ですよ!