先日、教材会社のご担当者さんが転勤により異動となったとのご挨拶を頂きました。これまで私の無理難題に対応して頂けたことに感謝すると共に、ご栄転先でのご健勝を祈念しております。
後任として赴任された新ご担当者さんからもご挨拶をいただき、千葉県や首都圏の入試動向やそれに対応する教材についてのご提言を頂きました。
いろいろと有益な情報を頂いたのですが、中でも日頃から注意しなければならないと感じたことが表題です。読む力・読解力と掲げると長文をいかに早く読むかだけに傾斜してしまいがちですが、それは正しくありません。
忘れもしない入試問題を挙げましょう。
『3で割ると1余る 4で割ると1余る 5で割ると1余る 6で割ると1余る 7で割ると1余る 8で割ると1余る この条件が当てはまる最小の数を求めよ』
これを受験した生徒さん、試験後に教室へ直行してこの問題を私に質問してくれました。試験会場の様子を聞くと他の生徒さんも大多数は解けなかった様子。
この生徒さん、3年間学年トップ5を外さずに、中3になってからは1位2位を争った生徒さんでした。その生徒さんが『この問題、意味分かんない』と真っ青な顔でした。
この問題は文章表記の違いだけなのではないか、私はそう思います。つまり『3・4・5・6・7・8の最小公倍数に1を足した数を求めよ』と出題されたら・・・基本問題ですよね!? つまり、これは問題が解けなかったのではなく、問題を読み切れなかったことに敗因があったのです。
幸いその生徒さん、その高校に無事合格し、大学も第一志望に進むことが出来ました。高校に進んでからは読み取る力の増強に力を入れたそうです。それが大学受験にも役立ったのだと思います。
冒頭の話に戻すと教材会社の新ご担当さんは『入試は基本的にインプットに対応する力を見るものだが、今後はインプットされた情報を上手に加工していく力も試されるのではないか』とのこと。
その通りだと思います。そして大切なことですが、新しい傾向問題ばかりに目が行きがちですが、実は根本的なもの(ここでは読む力)は普遍的に変わらず求められるのではないでしょうか。