ナッジとは行動科学の用語で『望ましい行動を取れるよう後押しするアプローチ』を指します。ご褒美や罰則などの手段を使わずに自発的に行動を変容させるよう促すのが特徴です。
2017年、シカゴ大学リチャード・セイラー教授のノーベル経済学賞受賞を契機に大きな注目を集める言葉となりました。ナッジ(nudge)は英語で、元々の意味は「ひじで小突く」「そっと押して動かす」です。
この言葉は早くも市民権を得たようでテレビCMや情報番組でも取り上げられています。いわばトレンド用語ですね。
世の中に溢れる注意喚起や案内などの文章にもこの影響が感じられるものが多くなりました。私個人としては考えさせられるものも中にはありますが、概ね好意を持って受け入れられているように思います。
これを小中学生・高校生の世界に反映させるにはどうしたら良いのでしょうか。小中学生・高校生は得てして『勉強しなさい!』とばかり言われ続けがちです。それはもはや勉強をやろうという動機付けにはならないと思っています。
そこで必要になるのがこのナッジです。今やってることの意味を理解し、それを積み上げていくとこうなれる・・・それが理解できれば大抵の小中学生・高校生は机に向かえます。中には目の色を変えて取り組む生徒さんもいて頼もしい限りです。
学習塾では将来的なビジョンを示すことが大切ではと最近は考えています。そのためには生徒さんが目指す未来について知らなければなりません。志望する私立中学・高校・大学、そして将来的な職業まで。
『この学校の偏差値は・・・』『合格ラインがここだから・・・』と成績だけに偏って見る傾向が強いのが学習塾の特徴ですが、私は『この学校に行けばこんな勉強や部活動が出来る』『この学校は○○大学に行くには有利だよ』そんな話をしてあげたいと思います。
目標設定は大切なことですが、それは第一段階です。目標は時に色あせてしまうこともあります。第二・第三段階に入ったらその目標がいかに魅力的かを訴求し続けることも大切です。