個別指導の学習塾、人気受講科目は算数数学と英語です。これは私の知っている限り個別指導塾が出現してから変わらないように思います。
それ以前、家庭教師の先生に依頼しての授業も同様です。先日目にした家庭教師の募集要項にも『算数国語・英語を教えられること』が大前提になっていました。
中学生の学科5科目の中で理科社会は入試に使わない私立高校が多いことからも理科社会は少し軽視されてしまうのは・・・本意ではありませんが仕方ないかも知れません。
それでは国語だけが蚊帳の外にあるような扱いになっています。この原因は何でしょうか。
国語は得意と答える生徒さんは少ないのですが、苦手と答えるも少ないのが特徴です。全て日本語で書いてある(当たり前ですが・・・)のでさらっと読んだだけでは難しさが分からない科目でもあります。
それでは読書で学習をカバーする方法は取れるのでしょうか?
公益財団法人全国学校図書館協議会の調べでは2019年5月の1ヶ月間の平均読書冊数は小学生11.3冊、中学生4.7冊、高校生1.4冊。不読者(全く本を読んでいない児童生徒)は小学生6.8%、中学生12.5%、高校生55.3%となっています。
小中学生は思った以上に本を読んでいます・・・と言うのが落とし穴です。これ、あまり鵜呑みに出来ない数字なのではないでしょうか。
ここで厄介なのが『小中学生向け図書』です。これ、どうかな・・・と思います。十把一絡げ(じっぱひとからげ:多くの種類のものを区別なくまとめて扱うこと)にしてはいけませんが・・・
私は仕事柄小中学生向け図書を読むことが多いのですが、読解力の構築より情操教育に重点の置かれたものが非常に目立ちます。それはそれで役立ちますが、読解力まで期待するのは酷な話です。
また、国語は得点を読むのが非常に難しい科目です。他の科目であれば年間を通して堅調に推移しますが、国語に限っては乱高下を読み込まなければならない科目でもあるのです。
はっきりと論述すればそれは学校定期試験の問題にも原因の一つがあります。感覚で解く問題(これは入試に限って言えば出題されることはありません)と論理的に解く問題が混在していて対策が大変です。
また、授業中に行間を読むよう指導する先生の定期試験問題は相当厄介です。これは国語の試験ではなく、情操教育です。国語の問題とは『書いてあるものを適正に読む』ことが大前提です。
こんなことが繰り返されているため、受験業界では『学校国語と受験国語は別物』が通説になっています。これを最後まで理解せずに受験に臨んでしまえば結果は・・・
国語は覚えることや言葉が多いため、算数数学や英語以上に時間のかかる科目です。しかし一度習得出来れば普段から接することの多いことだけに忘れにくいという特徴があります。
また、中学受験・高校受験で習得した読解技術はそのまま大学受験に活かせる科目でもあります。それだけに早々に対策して得意科目とすべきなのです。
特に小6中3の受験生諸君は今夏が国語の学習を始める最後のチャンスです。国語の得点が読めるのは受験生にとって絶対的に有利です!