前章では中学生が早目に試験対策に着手する理由について述べました。本章は少し入り組んだ昨今の事情について保護者様向けに論述していきたいと思います。
『早目に』を繰り返している大きな理由は言うまでもなく新型コロナウィルス感染症蔓延拡大です。昨年度(2020年度・令和2年度)、小中学校(特に公立校)はこれらに対して為す術もなく看過していました。
この点について、学校側や行政が無策だったとするつもりは毛頭ありません。未曾有の病疫で対処しようがなかったのは致し方ないことです。
しかし、2021年度も同様の禍が起こらないとは言えぬ中で何ら対策も講じぬまま・・・と言うのは如何なものでしょうか。
私自身、昨年度のように学校が機能しない状況は経験がありませんでした。教科書内容の完遂はおろか、学校行事の実施さえままならぬ年度は初めての経験でした。
しかし、昨年度を経験値として2021年度は同じ轍を踏まぬように取り組まなくてはならない。そうお考えになりませんか!?
昨年度、千葉県公立高校入試においては数学・理科・社会の3科目において配慮すべき単元(平たく言えば出題しない単元)を設けました。こういったシステムがあるから安心なのでは・・・!?
結論から申し上げると、この配慮は全く意味はありませんでした。出題分析を見ても明らかです。これは私個人の意見ではなく、私立高校の入試作問をされている先生方からも同様のご意見を頂いています。
つまり、『入試においては中学校が休校になろうと入試問題は中学校3年間の学習すべき全ての範囲から適正に出題する』ことに変わりはないのです。
また、内申対策についても早目に着手することが何よりの対策となるようです。教育委員会に問い合わせても『幾許かの日程で学校運営が叶い授業運営が為されれば評価は出す』との見解を得ています。
つまり、何らかの事情で前期中間試験以降の試験や授業が実施されない場合でも学年の評価(つまり内申点)は出すそうです。
それって『中間試験失敗しちゃった。期末頑張って取り返そう!』はなくなることもある、そう言うことですよね!? そうなると1回の試験の重みがこれまで以上に増してくるように思います。
いつシャットダウンされるか分からない中での取組みは精神的にタフなものです。しかし、そんな意識を持たぬまま取り組むよりはずっと良いのではないでしょうか。
当教室に通う生徒さんや保護者様からは『センセーは楽天的だね。』『未来ってセンセーが言うほど明るくないと思うけど・・・』と言われるほどの私でも非常に強い危機感を持っています。もし、小欄をお読みの方の中に勉強や受験に多少なりとも不安をお持ちの方がいらっしゃれば教室までお声がけ下さい。