先日、生徒さんから面白い質問を貰いました。
「今日、学校で先生から『○○の申込書を早急(そうきゅう)に提出するように』って言われたんだよ。」
「でもさ、正しい読み方は早急(さっきゅう)じゃないのかな?」
昨今はテレビやラジオのアナウンサーでさえ(そうきゅう)派、(さっきゅう)派があるくらいです。小学生・中学生が戸惑ってしまうのも無理はないと感じています。
「これね、本来は(さっきゅう)が正しい読み方だけど最近は誤読する人が多くて(そうきゅう)と読んでも間違いではないとされているんだ。」
「元々は誤読でも徐々に標準の読み方になっていく言葉を慣用読み・俗読みと言って日本語ではそれを認めているんだよ。」
「他にも輸入(しゅにゅう⇒ゆにゅう)、寄贈(きそう⇒きぞう)、依存(いそん⇒いぞん)などが有名な慣用読み・俗読みの言葉だよ。」
「結構話題になる言葉として世論(よろん・せろん)があるけど、これは元々あった輿論(よろん)という漢字が当用漢字になかったため、当て字から作った言葉なんだ。どっちが正しいというわけではないけど・・・」
「(よろん)と読むと世間一般の共通意見、(せろん)と読むと世間の噂や風評といった具合に使い分ける考え方もあるんだよ。」
言葉はその時代時代において変わり続けるものです。正しい日本語を知ることも大切(これは私の得意分野)ですが、変わりゆく言葉に敏感に反応すること(これは生徒さんの得意分野です)も大切です。
因みに・・・
慣用読み・俗読みをされる言葉が入試などで問題(特に漢字の読み書き)に出されることはまずありません。仮に出題されたとして、「慣用読み・俗読みだから×」とはならないようです。念のため。。。