新学期が目の前に近づき、改めて志望進路を考える時期になりました。本稿は特に中学受験を目指す小学生諸君とそのご家族様にご一覧頂ければと思っています。
志望進路を考える際、大きな指針の一つになるものが偏差値です。よく聞くことに『偏差値50って平均でしょ!?』『偏差値50以下って平均以下?』という声。いやいや、それって乱暴な論調ですよね!?
特に中学受験では『偏差値50以下の学校に入れるためにそんなに勉強させるの?』というご意見。一見すると頷けますが、事実誤認も甚だしいものなのです。
中学受験の偏差値は中学受験専門の模試業者の行なう試験が基準になります。その中学受験専門の模試、どれくらいの小学生が受験しますか? 中学受験の受験率が全児童の25%程度。つまり偏差値はその中で決定していくのです。
小学生の25%が受験する中学受験、つまり100人の小学生のうち上位25人が受験するとすれば偏差値50の順位は100人中12~13位を取れる小学生が偏差値50なのです。これって簡単なことですか!?
偏差値は母数・母体によって大きく変わります。例えば千葉県でトップの公立私立高校生を招待して模試を行う予備校があります。平均点なら当然偏差値50です。実際はもっと上位評価を得られるはずなのに・・・ しかし上位校に通っている生徒さんは見たことのない偏差値に焦ります。それで予備校に入会手続き・・・というシステムを組んでいる予備校もあるのです。
この予備校、その招待模試の成績上位者は特待生として予備校に迎え入れられます。他の予備校に通っていようがお構いなしです。なぜならそれが『合格実績』を作り出すことを知っているからです。
話が少し脱線しましたが、偏差値という単純な物差しであってもきちんと見なければならないことは是非念頭に置いて頂きたいと思います。一般化されてきたと言っても中学受験はまだまだ特殊なものです。出来れば多くの学習塾をまわって話をお聞き下さい。この件につきましてはお伝えしたいことがたくさんあります。