本章は前章より続いています。
本章は『そもそも…』という話から入りましょう。『そもそも、不登校は良くないことですか?』『学校には行かなくてはならないのですか?』
こんな言葉は一定以上親しくなった不登校の生徒さんからよく聞かれる質問です。おそらく私を含めた大多数の大人はこの問い掛けに真正面から自信を持って答えられないのではないでしょうか。
一昔前の考え方(私も含め)では『学校には行かなくてはなりません』『学校で学ぶことは大切なことばかりです』という価値観でした。しかし昨今では必ずしも学校に(特に『全日制普通科』に)通うことが全てではない世の中なのではないでしょうか。
我々の世代では『通信制』『定時制』はあまり良いイメージではなかったと思います。しかし昨今の情勢を見ればそう言った選択もあるのではないかと思わざるを得ません。現に大人でも『リモートワーク』という名の通信システムを駆使した仕事をすることもあるのです。それなら。。。
私が学習塾業界に奉職して間もない頃の生徒さんの話です。その生徒さんは諸々の事情で中学校に通えなくなりました。私としては『高校に行かせるためには中学校に通学させることが大事なのでは…』と考えましたが、それは間違いでした。
四方手を尽くして先輩方にも知恵を借りたところ、直属の上司から『中学、行かせるな!』と助言されました。私にはその言葉の意味が理解できず…
その上司は『中学に無理矢理行かせることにより、高校進学が叶っても不登校を再発させてしまう』ことを危惧したそうです。それならそういった事情を理解してサポートしてくれる高校に進んだ方が彼の将来をきちんと作ってくれると考えたそうです。
結局彼は私立の通信制高校に進学しました。中学校の勉強に不安があってはとの考えで中学3年の秋から進学予定の高校が協力してくれました。
その彼、大学卒業後は施設管理会社に勤めることになったと報告してくれました。私は『あの時は何もしてあげられなかったね』とわびたところ、彼は『まぁ、いろいろ考えてくれたのはIさん(私の上司)だったけど…センセーがあちこちに掛け合ってくれたから今があると思っているよ』と庇ってくれました。
もしこれをお読みのあなたが不登校で苦しんでいるなら、あなたのお子さんが不登校で困っているならどうしていくのが一番良い方法なのかを今一度考えて下さい。その上でどうしたいのか、どうするべきなのかを整理しましょう。
復学するのも一手段です。しかし復学しない選択肢もあるのです。『小中学生の不登校 ⇒ 真っ暗な未来』ではありません。真っ暗になってしまうのはその時に適切な対処をしないときです。
当教室でもカウンセリングを受け付けています。これは入塾しないこと前提でも大歓迎です。お気軽にお問合せ下さい。