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585 不登校考 ~その①~

585 不登校考 ~その①~

本章は次章と併せてお読み下さい

 

個別指導の学習塾を運営していてポツポツと継続的にご相談頂く案件が不登校です。ご連絡頂く保護者様からは共通した点が見られます。本音かどうかは別としてですが…

全ての保護者様は『うちの子はだらしなくて…』不登校の原因を全てお子さんにあるとしがちです。まぁ、お話を伺うといじめ学校の対応などにも問題点を見いだしておられるようです。しかし、それらの改善だけでは問題解決には至らないことはまだあまり知られていません。

 

不登校の原因となっている問題点はこれまでのことだけではありません。もちろん、これまでのことに原因が含まれている以上、それを払拭しなくてはなりません。しかし、それだけで不登校は解決できるのでしょうか。

まず必要なことは学校に通えるようになったときのギャランティです。これまでのことは精算しました、これからのことは分かりません、では登校する意欲も出てこないでしょう。これからどうするかを明確に示してあげることが必要です。

それにはご家庭と学校がもっと綿密に連携を組まなくてはなりません。ご家庭からは要求ばかり、学校からは欠点の指摘ばかり…それで未来図が描けますか? 不登校になった生徒さんの未来図を描くには周りの大人が自分事として立ち回ることこそ必要だと思います。

周りが連携することと並行して生徒さんご本人への意識付けも大切なことです。その際に必要なことは決して上から目線で説諭しないこと。このようなケースでご本人への意識付けを行なう役割を担うのはお父様というケースが多いようです。特に学生時代優秀だったお父様はその点を引き合いに出さずに視点を子供さんに併せることが絶対に必要です。

学生時代優秀だった…という観点では学校の先生も同様ですよね!?先生の多くは学士を持っています。また、『勉強を教えよう』という志を持つ時点で『学生時代は勉強嫌いで…』とはならないはず(冗談や軽口でそうおっしゃる先生はよく見ますが…)です。細心の配慮を持ってほしいものです。

 

環境は整った、本人の意識付けも出来た、しかしそれでも不登校が続き…となることも良くあります。その場合にも焦らないことが大切です。100のピースのうち99個が揃っていてもたった1個欠けているだけで不登校は解決できません。そこを焦ってはいけません。

 

笑い話としては不謹慎なのですが、以前お預かりした生徒さんの話です。もうすぐ学校復帰できるかな…明日は学校に行けるかな…そんな時期でしたが、一向に復学にはなりませんでした。塾には毎日のように来校出来ていたのですが。

その生徒さん、塾では冗談にも応じてくれるのですがご家庭では全くの無口だったそうです。学校に行かなかった理由をご両親が聞いてもそっぽを向くばかり。困ったお母様から私に電話がありました。

いつものように塾が開室されると同時に自習に来たその生徒さん、開口一番『今日さぁ、学校行こうと思ったけど…雨が降っていて…が見当たらなくて。。。』とのこと。私はずっこけながらも『じゃあ、明日はどうする?』と尋ねたら『行く!』とのことでした。

その生徒さんにとってきちんとした格好で(雨の日には傘を差して)学校に行くことも大切なピースだったのではないか、そう思います。塾にはずぶ濡れで来校しましたが。。。また、そのことに対して周りが過剰な反応(『なぜ傘ぐらいのことで』と感情的な言動を向けることなど)をしないことも必要と思いました。

また、このケースでは生徒さんとご両親の関係を改善する必要がありました。もちろん、不登校になった引き金として学校にも改善して貰う箇所はあったのですが、それに留まることは不登校を改善することには繋がらないと思います。

 

また、別のケースは次章にて述べていきます。