前章が算数・数学の話だったので今回は国語の話、と言うわけではありません。『読む』という行為は全ての科目で最低限必要なもの、従って勉強の『べ』の字、とも言えることについて述べていきます。
中学生の生徒さんに話を聞くと学校の読書タイムなどもあり、全く読書していない状況ではないようです。しかし、読解力(理解と早さ)や語彙力にはあまり良い影響を与えていないように思います。
読書タイムが機能していない理由を推測すると2つの点に思い至ります。一つは時間の短さ。10~15分程度ではなかなか活字の海に没入できないのではないでしょうか。それが習慣となると『目が活字を追っているだけ』のような状態になり、読書は身に付きません。
もう一つは読書の質。これは昨今『商業図書』が巷間を埋め尽くしているだけに難しい問題です。これらは『読んで貰うため(つまり買って貰うため)に極力解りやすい表現・展開』を強く意識して作られているからです。これでは読解力や読書習慣は育ちません。
一部の小中学校では夏休みの間に読書感想文を課している学校があります。その学校の中には『推奨図書』なるものを羅列しているところも少なくありません。実は私の小中学校時代にもそのようなシステムはありました。でも・・・その中から選んだことは一度もなかったように思います。内容が幼すぎて・・・
それからウン十年後、現在の推奨図書リストを見て驚きました。同じ本がある・・・ 数十年前の小中学生が『幼い内容』と感じたものが未だにあるとは驚きです。ウン十年前の小中学生は現在の小中学生に較べて遙かに幼かったと言われます。それなのに・・・
結局は大人が個別対応で本を選んであげ、一緒に読書する時間を設けるしか読書習慣を付ける手段はないようです。読書習慣のある生徒さんは読解力・理解力・語彙力・構成力・演習処理能力などに長けている傾向があります。それなら今日から読書を楽しんでみるべきだと思いませんか?