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557 読書

557 読書

読書の秋、という言葉はもう死語かもしれません。読書習慣がある生徒さんは本当に稀な存在です。学校でもクラスに2~3名いれば良い方、だそうです。

それに取って代わったのがスマホやパソコンです。しかし、本を読むこととスマホの文字を読むことは何が違うのでしょうか。『文字を読むこと』には変わりないはずです。『紙に書いてある』か『液晶画面に映っている』かの違いです。本当にそれだけでしょうか…!?

 

本の製作には多くの人材が関わります。その書物に関わる人々が膨大な時間を掛けて文章を研ぎ澄ましていきます。従って短絡的なストーリーや薄っぺらい考察で描かれることは稀で(ない、とは言いませんが・・・)ある程度の厚みや重みがあるモノにはなってしまいます。

逆にWeb上にある読み物の多くは最少人員で作られたものが多く、製作から発表までスピード感を持って作られるものが多いようです。この点がこの媒体の最大の強みです。だから文章表現には多少目をつぶらなければならない箇所もあるのではないかと思います。

二者を較べて読解力・文章力が付くのは圧倒的に前者です。まず磨かれた表現・言葉で綴られている点、そしてしっかりと読み込まないと理解できない構成となっている点です。それらが読み解ける力をつけることは勉強(特に受験勉強)に留まらず、将来にも大きな力になるはずです。

 

しかし・・・

 

今は待ち合わせなどの隙間時間に文庫本を開いて・・・という光景は本当に見られなくなりました。本好きの私としては少し淋しい気もします。

教室では少しでも本に触れて欲しいという思いから私が中学・高校時代に読んだほんの一部を自由に見ることが出来るよう展示しています。どんなきっかけでも良い、本に興味を持って欲しいなぁ、そんな気持ちです。