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534 入試問題 ~2021年度編の後編~

534 入試問題 ~2021年度編の後編~

本章は前章より続いています。併せてご一読ください。

 

以前講演会で小耳に挟んだ話を一つご披露いたします。

中学生の英数、年間を通してやる内容がある程度決まっていることはお気付きでしょうか? 数学で言えば春先に計算と方程式、秋に関数、冬に図形、が大まかな区分です。学年によって多少の違いはありますが、大きな流れは同じです。

英語はもう少し縛りが緩くなるのですが、春先に行なう時制(中1なら現在形、中2は過去形、中3で現在完了)はその学年で学ぶ英語の土台となります。これがあやふやだと他でどれだけ分かっていても『理解できていない』と評価されてしまいます。

 

通常、これらの単元は非常に大切なことなので繰り返し演習しなければなりません。それを行なう期間が夏休みなのだそうです。そうなると日本の学習計画は良く出来ているものだと思います。これらがキッチリ出来れば秋以降の学習(数学なら関数、英語なら一般文法)でも円滑に進めることが出来ます。

しかし、その演習をするための時間でもある夏休みを大幅にカットして教科書内容をトレースする予定を組んでしまったら秋以降の学習で大きな弊害が出ることも予想されます。結果として入試平均点が大暴落・・・という自体も考えられるのです。我々はそれらの事象まで先読みして入試戦略を立てるべきと考えています。

 

この講演会ではかなり誇張された部分もあったのですが、論理的に学習を進めていくことの大切さを再認識させられました。その上で『それらが出来ない場合はどうするか』を考えなくてならないのが今年度、そしてそれ以降なのではないでしょうか。