2020年7月14日、千葉県教育委員会より『新型コロナウィルス休校における令和3年度公立高校入試問題作成の配慮事項』が発表されました。
対象は数学・理科・社会の3科目、単元は数学の『標本調査』、理科の『科学技術と人間』の一部及び『自然と人間』の一部、社会の『国際社会の諸問題』とあります。いずれも中3内容の終盤に取り扱うとされるものです。ホッとした受験生も少なくないと思いますが・・・
私個人の見解ですが、『これは意味のない配慮』だと判断しています。実際問題、中学3年生の終盤では受験に間に合わせるために1時間の授業で20ページも30ページも進める先生が毎年いらっしゃいます。そんな授業で完成させる、完成させられるような単元なのです。(本来は『標本調査』なら統計学の基礎になるなど、どの教科でも非常に重要な内容なのですが・・・)
その上で2020年度の中学3年生は春先に学校機能が喪失されたため、数学の『式の展開と因数分解』、理科では『運動とエネルギー(物理の力学分野)』、社会では『近代史』が駆け足授業になりました。休校期間にきちんとした対応をした受験生と対応できなかった受験生の大きな差となっている方が問題だと思っています。
各論に入ります。数学では『式の展開と因数分解』、これは中3数学の基本と言っても過言ではありません。因数分解が出来なければ二次方程式も二次関数も三平方の定理も厳しいものとなります。それならその単元は通常に近い形でキッチリと完成させなくては進められません。
理科では『運動とエネルギー』、この単元は苦手にする生徒さんが非常に多く見られます。ここも・・・軽視すべきではないと思います。社会の『近代史』でも同様に苦手意識が強くなる単元で内容が公民に直結する時代でもありますので後々の学習にも影響を及ぼします。
これらの対策は各学習塾でやっていることと思います。当教室でも独自のシステムでこれらの遺漏(いろう;大切なことが抜け落ちていること)を補完する対策を講じています。その上で『配慮により出題されない単元の処置』も行ないます。『出題されない範囲=勉強しなくて良い範囲』ではないからです。
ここまで言及してしまうと教室の運営機密漏洩かな・・・とも思います。しかし、令和3年度高校入試においては非常に大切なポイントとなることは間違いありません。ご不明な点は教室までお気軽にお問合せ下さい。