新型コロナウィルス感染による休校措置の対策として『9月入学』が大きく取り上げられました。しかしそれは大きな社会変動をもたらすもので拙速に強行できないことがやっと理解されたのか、2020年6月上旬に2020年度・2021年度には行なわない決定が為されたようです。
一方で約3ヶ月の休校期間が休校期間ではない状態で過ごせた生徒さんがいました。私立生です。学びの場が持てなかった多くの公立小中学生に対して私立生はオンラインで、又はさまざまな工夫を凝らした方法で学習を進めていました。
私立高校に通っている卒業生に話を聞くと課題や提出物で結構忙しく過ごしたようです。『休校って言っても休みじゃないよぉ・・・』と嘆き節(!)も聞かれました。大変だなと同情する反面、しっかり進められている安心感を感じました。
私たち学習塾運営者はこれらをまざまざと見せつけられました。また、多くの方々の耳目に触れていることと思います。その上で『また今回のようなことが起こったら・・・』と考えるのは極めて自然なことです。
一時期は高校を始めとした『公立学校復権』の兆しが見られましたが、現段階では風前のともしびとなっています。また、これを契機に『私立中学校受験熱』がさらに過熱することも予想できます。
私立中学校進学率は首都圏では東京が群を抜いて毎年20%前後となっています。千葉県はそれを追従する形で15%前後(但し千葉は年によって増減が大きくなっています)です。ただ、小欄でも幾度となく述べていることですが、これまでの状況は今年の受験(2021年度入試)を占う材料にはなりにくいのです。
今年は大学受験の大改革、千葉県高校入試の一本化など大きな変革期です。高校入試については公立が大きく変わることによって私立受験も大変動が見込まれています。また、中学受験はニーズによって受験率・倍率が大きく変動します。そう言った意味では今年はニーズが大きく変わった年となりますので中学受験も激動が予想されます。
『激変』『激動』と扇情的な言葉を並べましたが、我々は状況を的確に判断してその分析結果を生徒さんやご家庭に提供していくことも大切な仕事なのです。私の友達から『塾ってどこか浮き世離れしているように思うんだけど・・・』と言われたことがありました。いやいや、塾ほど、受験産業ほど世論に左右されるものも珍しいんですよ!