新型コロナウィルス感染対策で小池百合子東京都知事の歯切れ良い言葉が毎日のように世の中を賑わせています。『ステイ・ホーム』『ソーシャル・ディスタンス』、そして『三密』など、小池都知事の代名詞と受け取ってしまう方も多いのではないかと思っています。
政治家の定例会見や演説では解るか解らないかギリギリの言葉を使うことによって受け取る側の印象に残る効果があるそうです。そう言った意味では『家にいよう!』より『ステイ・ホーム』とした方が効果的だった、そう判断したのではないかと思っています。
また、『造語』も印象に残るエッセンス(要素・素材)なのではないでしょうか。今回は『三密』が造語として使われています。『密閉・密集・密接』の新型コロナウィルス感染防止策として作られた言葉です。
しかし、この言葉は元々空海(774年-835年)が開いた真言宗を始めとする密教の教えなのです。具体的には『身密(しんみつ)・口密(くみつ)・意密(いみつ)』を指しています。ちょっと難しそうな言葉なので解説をしましょう。
『身密』とは身体・行動に対する教えです。自分の行動を見直して大切なものを見極め、社会に貢献できる行動をすること、そして手を洗い身を清める行動を指します。あれっ・・・これって2020年4月5月に全ての日本人が経験した『自粛生活』に似ていますよね!? 手を洗い身を清めるって現代風に言い換えれば『手指消毒』に通じるものが見られますね。
『口密』とは言葉・発言に対する教えです。自分の言動を見直し正す、感謝の言葉を口に出す、人の悪口を言わない思考を指します。これも・・・図らずもSNSに人の悪口を書き込んだことから悲しい事件に発展したことがありました。また、行政の行なう政策に揚げ足ばかりを取る人が(ほんの一握りではありますが)います。これを戒めているのではありませんか?
最後の『意密』とは心のありようや思考に対する教えです。自分の心の揺らぎを客観的に観察し、俯瞰で他者への心配りをしつつ、心静かに過ごせるような状態を保つことを指しています。心を穏やかに保つことで変に固執したりこだわることから解放される状態まで持って行こう、そんな教えです。皆が皆、こんな気持ちで過ごせるなら日々の暮らしはもっと豊かなものになるのではないでしょうか。
小中学生にはまだ早い話ですね。わかりにくいところも多かったと思います。しかし、文章を覚えておけば後の人生に活かせることがたくさんあります。難しい言葉や文章を理解するには形から入っても良いのではないかと思います。
とは言っても私自身が書いていて気恥ずかしくなることだらけです。私自身も精進の日々を過ごさねば、そんなことを考えながら書き連ねました。